ご報告:第二回 目黒区多文化共生区民フォーラムのファシリテート

去る6月20日(土)、地域住民と外国人の方がどのように共に暮らすかを考える
多文化共生区民フォーラム(目黒区国際交流協会様主催)」において、第2回目の
ファシリテーターを弊社、ODコンサルタントの平尾と内田が務めさせていただきました。

 

【多文化共生区民フォーラムの全体像】

1.第一回フォーラム 基調講演とシンポジウム

2.第二回フォーラム ワールドカフェ(共有と課題の抽出)(分科会のテーマ決定)

3.第三回フォーラム 分科会(複数回の分科会を通し、具体的な提言の決定)

4.2016年2月7日開催のMIFA国際交流フェスティバルで目黒区の提言を提出予定

※弊社が携わらせて頂いたのは、6月20日の第二回目のフォーラムとなっております。

 

【第二回フォーラムの目標観】

多文化共生を軸としたより良い街づくりためのタネを出すこと(分科会のテーマを決定)

 

今回は開催側からの情報提供だけでなく、参加者同志の対話を通じて情報や気持ちの共有と多様な意見を出していただくことを大切にして、ワールドカフェという方法にて進行を致しました。また、楽しみながら対話をすることも大切なポイントとして置きました。
当日は、26名の地元住民の方々にご参加をいただき、熱気あふれる時間となりました。

 

2015-06-20 13.06.15

参加者の皆様は、最初こそ緊張をした面持ちでしたが、セッションを重ねるにつれ、
「銭湯を通じたコミュニティをつくれないか」
「もっと今回のような対話の場を増やそう」
「そもそもMIFAという国際交流の媒体があるのだから、もっと活かせないか」など、多くのご意見が盛んに飛び交うようになりました。

 

2015-06-20 13.37.36

 

 

◆参加者の主なご感想

・実施前は不安があったが、やってみて非常に良い場だと思いました。
・色々な方と出会えて、それぞれの意見が聞けたので、とても良かったです。
・回数をこなす毎によくできたと思います。多様な考え方を持つ方々と話せて良かったです。
・少人数であることで、深く話し合えたと思います。
・楽しい有意義な時間でした。

 

◆最後に

多文化共生というテーマでしたが、近年、日本人同士の価値観も実に多様であり、その一方で地域のコミュニティは希薄になっている傾向から、より複雑性を増している現状があることに、今回の場を通じて肌身で感じました。しかし、ひとたび交わる場のセッティングと適切なファシリテートができれば、今回のように実に活発なコミュニケーションと、具体的な方向性へと前進できる大きな可能性も感じました。

今回のお仕事を通じて、まだまだできることはあるなと感じております。

 

2015-06-20 16.02.04

(左から弊社の平尾、ナビラさん、MIFA石綿事務局長)
(イスラム教では、女性は家族以外の男性と2人では撮影ができないそうです。そのお話を伺ってのこちらの一枚。これも多文化共生の1つと思いました。)

 

内田拓郎

弊社セミナーの記事が掲載されました

 

2015年5月12日に東京商工会議所中野支部で実施させていただいたセミナー
「優秀な人材を辞めさせないマネジメント」についての記事を掲載していただきました。

独立行政法人中小企業基盤整備機構、中小企業施策普及紙「中小企業振興」 6月1日号3面に掲載されています。

当日は、ご参加者には自分の組織に当てはめ話し合っていただく機会もとりましたが、

時間になっても話が止まらず、このテーマについての各企業の関心の高さが感じられました。

このセミナーで伝えたかったのは大きく次の2つです。

 

1、優秀な若い人が辞めるとき、個人の問題にせず、その背景のマネジメントや組織文化まで考えてみよう。

2、マネジメント世代は自分達の「個人と組織についての常識」が、若い人たちのそれと違うということを自覚しよう。

 

以下より記事のPDFがご覧いただけます。

http://www.smrj.go.jp/kikou/dbps_data/_material_/g_0_kikou/johoteikyo/sinko/h27/20150601-03.pdf

 

平尾貴治

目黒区 多文化共生区民フォーラムのファシリテーターを致します

この度、弊社、株式会社シー・シー・アイは、
公益財団法人 目黒区国際交流協会主催(通称:MIFA(ミーファ))、
目黒区の多文化共生プロジェクトにおいて、フォーラムの進め方や多様なご意見が、
活発に出るための場のお手伝いをさせていただくことになりました。
7,000名以上の外国の方々が生活をされる目黒区の街で、
地域住民、企業、教育機関などの方々と共に、多文化共生をテーマに、
これからの街づくりについて考え、区への報告を行う場づくりのお手伝いを致します。

 

2003年に開始したビジット・ジャパンの政策により、
我が国は、現在、訪日旅行者数1,340万人を突破しました。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催も決まり、
今後、さらに訪日する外国人は増加し、
これから訪日旅行者数2,000万人時代を迎えようとしております。
来る訪日旅行者数2,000万人時代に加え、ビジネスやご結婚などで永住される方に備え、
多様な文化に対応した接し方、メニューや案内板の他言語化などのサービスの充実、
何より、多様な文化を尊重し受け入れる“ 多文化共生  ”マインドの構築を必要とする時を、
今、迎えております。
目黒区では、初めて地域住民や企業、高校や大学などの教育機関、留学生や、
ビジネスなどの訪日外国人、
その他の地域団体へのご参加をいただき、
自らが考え目指す“  多文化共生  ” とは何かを探求し、具体的に落とし込み、
区へ報告をする機会をこの度、創りました。

 

自分の子供や孫の世代までを考えた、より暮らしやすい街づくりをお考えの地元住民の方、
現在、居住されている外国人の方で、
もっとこんなサポートがあったら、より暮らしやすいと思うことがある方、
企業の方で、地元企業として認識をされているか、
どのような企業イメージをもたれているかを知りたい方、
そもそも多文化共生とはなんだろうかと、関心をお持ちになられた方など、
動機は様々でいいと思います。
たくさんのお申し込みをお待ちしております。

 

【多文化共生区民フォーラムのご案内】

 

【第1回 多文化共生区民フォーラム】

 

日時:5月30日(土)13:00‐16:00
会場:目黒区総合庁舎本館2階 大会議室
(目黒区上目黒2-19-15)
定員:100名様(事前お申し込み)
参加費:無料
内容:基調講演(東京工業大学教授 武井直紀)及びシンポジウム

 

【第2回 多文化共生区民フォーラム】

 

日時:6月20日(土)13:00‐16:00
会場:目黒区総合庁舎本館2階 大会議室
(目黒区上目黒2-19-15)
定員:100名様(事前お申し込み)
参加費:無料
内容:ワールドカフェにてニーズを抽出

(株式会社シー・シー・アイ 組織開発コンサルタント 平尾貴治)( 同 内田拓郎)
第2回以降は、12月まで月1回程度、分科会形式を中心に開催を致します。
詳細は第1回目のフォーラムの場にて、スケジュールの発表がされる予定です。

 

ダイバーシティとインクルージョンが、テーマでもあります。

ですから、区民以外の方でもご参加をいただけます。

 

お申し込みやお問い合わせなどは、お手数ですが、下記よりお手続きをお願い致します。

 

お申込みの際は、

 

・お名前
・ご住所
・ご連絡先(電話番号とFAX番号)※FAX番号は保有されている方のみで結構です。
・メールアドレス

 

以上4点を、下記の電話番号もしくは、Eメールよりお伝えいただき、お申込み下さい。

 

公益財団法人 目黒区国際交流協会(MIFA)
TEL: 03-3715-4671
E-MAIL:info@mifa.jp 

 

目黒区の初めての試みですが、極めて公共性の高いプロジェクトに意義を感じております。
蓋を開けてみてのお楽しみの部分もありますが、精一杯の参加を自身もしたいと思います。
それでは、たくさんのお申し込みをお待ちしております。

 

よろしくお願い致します!

 

内田拓郎

セミナー開催のご報告 マネジメントスキル強化セミナー ~東京商工会議所北支部 様主催~

セミナー:東京商工会議所北支部 様 主催

株式会社シー・シー・アイ

「マネジメントスキル強化セミナー~優秀な社員を5月病で辞めさせない~」

2015年4月21日(火)

於:東京商工会議所北支部 北とぴあ大会議室701

 

 

去る4月21日(火)、東京商工会議所北支部 様の主催にて、

シー・シー・アイ 「マネジメントスキル強化セミナー~優秀な社員を5月病で辞めさせない~」を、

開催させていただきました。

当日は、弊社コンサルタント平尾貴治が講師を務め、

下記のような目標観と流れで進行いたしました。

 

【目標観】

優秀な人材を辞めさせないマネジメントを実践できるようになる

 

【セミナーの流れ】

1.組織開発とは何か
2.若手社員との意識ギャップを生み出すメカニズム
3.上司である自分自身のあり方が明確になることで変化する
4.自己の価値観の棚卸し
5.若手のモチベーションを上げる対話の仕方
6.部下が活き活きと働くためのチェックポイント

 

今回のセミナーは講師からの情報提供だけでなく、参加者同志の対話を通じて学びを深めていただくことを大切にして、進行いたしました。またセミナーの途中でも、質問やご意見を自由にしていただく形式に致しました。

 

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今回のご参加いただきました皆様の参加理由は、

「自社の入社辞退者や脱退者を減らしたい」

「若手社員の早期退職防止策」

「若い職員が、モチベーションを崩さずに、業務を続けていく職場づくりを目指したい」

などの理由がありました。
冒頭、平尾より、「最近、ネガティブな理由でヒトが辞めてしまった方は、
どのくらいいらっしゃいますか?」と伺いましたら、
参加者の8割の方々が、一斉にバッ!と手を挙げられ驚きました。
報道にもあるように、新入社員の3割が3年で退職をしてしまう昨今、少子高齢化も重なり、
新入社員が離れてしまわないように、積極的な研修の導入や制度つくりなど、
企業の方々が苦心されている状況を、リアルに感じた瞬間でした。

また、セミナーは、参加者の方から積極的なご質問をいただいたことにより、組織全体に対するマネジメント・アプローチにも適用できるフューチャーサーチのお話もさせていただき、
お陰様で
インタラクティブな学びの場にもなりました。

 

2015-04-21 19.58.03

 

セミナーの中では、気付きの共有という時間を各テーマごとに置き、
参加者の中で対話による共有もしていただきました。
異業種の方のお話を通して、刺激を受けられたこと、
自分の会社のみで起こっている問題だけではないことなどの気付きから、
最後は、参加者同士、皆さま名刺交換をされ、楽しそうに情報交換をしていらっしゃり、
非常に活発な場になっていたと感じました。
冒頭、ネガティブな理由で、最近離職された方がいると多く、挙手をいただきましたが、
最後は、何かしらセミナーの中でヒントを掴まれ、明るい顔で帰路について頂けたことを
嬉しく思いました。

 

◆参加者の主なご感想

・ パソコン業務が多いので、気づかぬ内に正対せずに、部下と接している自分に気づいた。反省した。
・ 日頃、正義を振りかざしている自分に気づいた。正義感は、違う価値観を受容できない恐ろしさがあると思った。
・ 正対してヒトと話しができていない。10分でも、きちんと目を見て話す姿勢を実践したいと思う。
・ 参加してわかったけど、皆さんの会社の話を聞いたこと、また自分の上司は今日聞いたことを結構実践していているヒトなので、実は良い上司であることに気づいた(笑)
・ 講師の平尾さんが、ポイントをわかりやすく説明してくれた。ご自身が、元はサラリーマンで苦労をしてきたヒトなので、言うことにも説得力があった。

 

◆さいごに

参加者の皆さま、この度は大変ご多用の中、ODセミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。

CCI主催でも今後もこのようなセミナーを、定期的に開催していく予定です。

 

5月11日(水)に、「組織開発(OD)との向き合い方」をテーマにセミナーを開講させていただきます。

組織開発の基礎からお話をし、ワークも取り入れ体験的に学んでいただく場にしたいと思います。

組織開発(OD)について知りたいという方はもちろん、もう一度学び直してみたい方、組織の中で共に組織開発に取組むお仲間を増やしていきたい方など、皆さまからのお申し込みを心よりお待ちしております。

 

詳細はこちらをご覧ください → 組織開発との向き合い方

 

報告者 内田拓郎

東京商工会議所北支部 様開催セミナーのご案内

4月21日(火)に東京商工会議所北支部 様の主催にて、
~優秀な社員を5月病で辞めさせない~マネジメントスキル強化セミナーを
開催させていただきます。

下記は、今回のセミナーを務めさせていただきます熱血講師、
平尾より皆様へメッセージです。

 

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皆様へ

 

厚生労働省が昨年末に発表した、新規学卒者の卒業後3年以内離職状況は、「大学卒」は32.5%、「短大卒」は41.2%、「高校卒」は39.6%、「中学卒」は64.8%と、全学歴で離職率が前年を上回る結果となりました。
なぜ、こんなに多くの人がこれほど短期間で辞めるのでしょうか?
「給料が安い」「残業が多い」「上司に厳しく言われた」「思っていた仕事内容と違った」「キャリア・アップのため」…など、それぞれに理由はあるでしょう。

だけど、そんな理由は表面的なものだと私は思います。

ズバリ言わせていただくと「結局、その仕事に価値が感じられない」のです!
給料が安くても、残業が多くても、上司が厳しくても、頑張るだけの価値が感じられないのです!

「若いうちに仕事の価値なんてわからないのは当たり前だ!何年も勤めて初めて分かるものだ!」と思う方もいるでしょう。
では、あなたの会社で「何年も働いている人」は仕事の価値を伝えられる人でしょうか?
疲れた顔をして、飲み屋で社内の愚痴ばかり言っていませんか?
…例え、そうだとしても高度成長期はは良かったかもしれません。
景気は毎年良くなっていくし、終身雇用だったし、我慢して定年まで勤め上げればそれなりの生活が出来る時代もありました。

でも今はそんな時代では無いですよね。

不確実な時代には、優秀な人材であるほど「価値のある職場・価値のある仕事」に集中し、
そうでないと判断すれば、他のステージを選びます。
勘違いしないで下さい。
若者に迎合して下さいとは申しておりません。
相応しくない方には去って頂いくこともやぶさかではありません。
大切なのは、多少厳しくとも優秀な人材が残る会社を創ることなのです。

本セミナーでは、私は多くの業界でコンサルテーションをさせていただいた実績を基に、「なぜ若手社員との意識ギャップが生まれるのか」「これからの時代の上司はどう接するべきか」などについてご参加者に一緒に考えていただきます。
本気で「優秀な人材の集まる価値ある組織を創りたい」とお考えの皆様、是非ご参加下さい!

 

平尾貴治

 

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◆主催
東京商工会議所北支部 様

◆イベント名
~優秀な社員を5月病で辞めさせない~
マネジメントスキル強化セミナー

◆日時
2015年4月21日(火)
18時30分~21時00分

◆場所
北とぴあ7階 701会議室
〒114-8503 東京都北区王子1-11-1
TEL:03-5390-1105
最寄り駅
JR・地下鉄南北線駅徒歩2分
※JR京浜東北線王子駅北口改札 徒歩2分
※地下鉄南北線王子駅5番出口 徒歩2分

◆セミナー内容
・若手社員とのギャップを生み出す要因
・上司自身の「在り方」を見直す
・部下のモチベーションを上げる対話のポイント
・部下が活き活きと働くためのチェックポイント

◆講師紹介
株式会社シー・シー・アイ
取締役 組織開発コンサルタント
平尾 貴治

◆料金
会員料金:無料
一般料金:無料

◆お申込みは、下記のURLよりお願いを致します
http://event.tokyo-cci.or.jp/event_detail-60046.html

 

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最近は、上司と部下の方がご一緒にご参加をされ、共通言語を共有し、
職場に活かされているケースも拝見します。
この機会にぜひ、皆様もお誘い合わせの上、お申込みいただけたらと存じます。
よろしくお願い致します。

 
内田拓郎

 

 

CCIセミナー「組織開発(OD)との向き合い方」(3月11日)

BannerTreeS

 

組織開発(Organization Development)は組織を外部環境も含めた全体システムとして捉え、そのシステムそのものを変えていくために1940年代に生み出され、その後現場で実践されることで進化してきた考え方、手法です。

 

将来の不確実性が増している現在、要素分解された課題を個別に解決するという従来型の組織改善手法は限界をむかえつつあります。
そのため、『組織の生産性と健全性の両立』を実現するために、組織開発やホールシステムアプローチといった考え方があらためて注目されています。

 

一方で組織開発はシステム全体を改善していくアプローチであるために、何から手をつければ良いのか、どのように進めていけばよいかというエッセンスをつかんでいただくことが難しいという側面があります。

 

本セミナーではこれまでの弊社が30年近く取り組んできた内容をご紹介しながら、組織開発とは何かをつかんでいただくと同時に、自組織で組織開発にどのように取り組んでいくかというシー・シー・アイの組織開発のエッセンスをお伝えしていきます。

セミナー概要

開催日時

2015年3月11日(水) 19:00~21:00 (開場18:50)

会場

ビジネスエアポート青山 会議室
東京都港区南青山 3-1-3 スプライン青山東急ビル6F
https://business-airport.net/shops/access/aoyama
銀座線『外苑前駅』1a番出口より徒歩3分

内容

  1. 組織開発とは何か
  2. チェックイン
  3. 組織開発とどう向き合うか
  4. 組織活性化のメカニズム
  5. 組織開発コンサルタントの視点
  6. チェックアウト

参加費

5,000円

※少人数でのセミナーです。

お申込み

お申込み受付は終了いたしました。

リーマン・ショックと私の車

弊社主催のセミナーで過去のGDPの推移のグラフを使用した時に思い出したことがあります。
世界的金融不安の発端となったリーマン・ショックと私のつながりが明らかになった恐怖の思い出です。

 

当時の私は、岐阜県の老舗旅館に勤めておりました。
経理課に所属しており、社長と事業計画書をあーでもないこーでもないとやっていた時期です。
当時の私は、世界的金融不安やリーマン・ショックという連日のニュースや報道を見聞きしても、
正直、基本は他人ごとでした。
「世の中たいへんだなー」。まあこんなものです。
しかし、それから間もなくのことです。
リーマン・ショックによる実体経済への影響が会社にもやってきました。
予約にキャンセルはないものの、これから紅葉のシーズンを見込み、多くのご予約を頂くはずが、
例年より明らかに減少傾向にありました。
トップシーズンに見込まれる客数の減少は、文字通り、死活問題です。
減少要因を辿って行くと、最もコアな客層である愛知県のお客様が減少していることがわかりました。
愛知県といえば自動車。自動車業界は、リーマンショック後の打撃をモロに受けた業界の1つです。
とにかく、ある程度、形を成してきた事業計画書も大幅に見直さなければならなくなりました。
主力の愛知県がだめなら、地元に助けてもらうしかありません。
「お昼と夕食を食べて、その間に温泉を堪能しお土産を買って日帰りするプラン「0泊2食」で当面は稼ぎます」。
銀行の担当者へ、トップシーズンの崩壊のせいで鉄板の過去データが通用しませんから、
急遽、方針転換をし説明を致しました。実際、何とかなりましたので、まずはホッとしたものです。

 

しかし、ほっとしたのもつかの間でした。
ある日の昼休み。コンビニへ行こうと自分の車へ乗ろうとしたら、ダッシュボードが開きっぱなしでした。ん?と思い、
見渡しましたら、まずはカーナビが傷だらけなのに気づき、私は驚きました。
続いて、後部座席。ガラスの破片が散らばっています。やられた・・・
購入してひと月も経っていない私の車が車上荒らし・・・

 

リーマン・ショック後の当時、車上荒らしの窃盗団が上昇傾向にあり、私の新車もその被害にあってしまったのでした。
私は警察官に指紋を採取され、頂いたティッシュで指を拭いながら警察官の方へ聞きました。

 

内田「一体、どんな人がこんなことをするんですかね。
こんな田舎でやったら、すぐにどこの誰かってわかりそうなものだけど。」

 

警察官「んなもん、決まっているよ。地元の者の犯行じゃない。ましてやこのやり方は日本人じゃない。外国人や。」

 

内田「・・・・・・」

 

 

岐阜県の隣には愛知県があり、ご存知の通り、この県の中心的な産業は自動車です。
リーマンショック前は、東海地方の自動車メーカーは好調でしたので、人手不足が起きていました。
そこで、外国人雇用を考え、多くの海外の方が来日し、派遣社員として働かれていました。
当初は、治安悪化を懸念して、信頼できる国からの受け入れに限定をしていたのですが、
人手不足が解消されないため、だんだんなし崩し的になり、
最後の方は、様々な国の人達が入国をしていました。

 

そこへリーマン・ショックです。そして派遣切り。
国へ帰れる外国人はいいですが、路頭に迷う方も少なくありませんでした。

話しを聞いていくと犯行の流れは、カーナビを奪って売り払い、帰国というわけでした。
私の車は純正でハメ込まれたカーナビだったので、取ることは叶わず、
だから、何かないかとダッシュボードも必死に漁ったのだろうと思われます。

 

「世の中たいへんだなー」と他人事のように思っていたリーマンショックの影響が、
このような形で自分自身に降り掛かってくるとは思いもよりませんでした。

 

ここから得られた私の教訓は、
世の中で起きていることは、自分の生活にも結びついている。
すなわち、俯瞰したものの見方を大切にしようということです。

 

社会という大きな枠組はイメージすることが難しいですが、皆さんの日々の生活は必ずどこかにつながっています。
今起きている事象は、どこからきているものなのか、私のようにドタバタしたり、痛いオモイをする前に
一度俯瞰した大きなモノの見方で見てみて下さい。
ここからこんな影響を受けているのか!と思わぬ気づきがきっと出てくるものと思いますし、
気づくことで未然に防げることもあると思います。

 

内田拓郎

 

 

育成と2020年東京オリンピック

東京オリンピックの開会式は、2020年7月24日。オリンピック開催まであと6年を切りました。
競技そのものも活躍が楽しみですが、オリンピックは世界の国々が開催国を見ますから、
今の日本が世界の方々の目にどのように映るのか、どこに関心を向けるのかも私は非常に楽しみです。

 

自国開催となればどこの国でも行われる国内改革。弊社のオフィスは南青山です。
1964年に開催された東京オリンピックでは、個別競技場と渋谷体育館を結ぶため、
当時22メートルだった道路を40メートルに拡幅しました。
そこに若者向けファッションのお店が軒を連ね、できたのが今の青山通りです。
オリンピック開催年には、ホテルニューオータニやビートルズが宿泊したキャピタル東京(旧ヒルトン東京)が
開業し、開催9日前には新幹線が開通をしました。
前回の東京オリンピックを振り返りますと新たな街が形成され新たなインフラができており、
私は性分でどうにもこうにも夢が広がってしまいます。

 

しかし、オリンピック開催には国によりその後の明暗が大きく分かれております。
アテネオリンピックのあとギリシャは、財政危機に陥りました。
ロンドンオリンピックのあとイギリスは経済が非常に良くなりました。
なお、1964年東京オリンピックのその後はどうだったのか。
1964年に開催された東京オリンピックのその後は、GDP実質成長率が10%代から4.4%まで
落ち込みました。山一證券が赤字になり、取り付け騒ぎがありました。日本特殊鋼、山陽特殊製鋼などが、
次々と倒産をしました。今の赤字国債の常態化も、この時期に戦後初めて発行した特殊国債が
事の始まりでした。話しを戻します。
イギリスとギリシャ、明暗の分かれ目は何だったのかと私は考えました。
その1つにロンドンオリンピックでイギリスが盛んに使っていた言葉が、キーワードになるのではないかと思います。
その言葉とは「レガシー」。あとに残るものという意味です。あとに何を残すのかは非常に重要です。
あとに何を残すのか。そもそも何を残したいか、そして、残したものを継承してくれる者はいるのか。
上記3つの観点が大切なのではないでしょうか。

 

この3つの観点は企業においても重要です。
アベノミクスにオリンピック開催と一見、世の中は明るくなったように感じます。
確かに人手が不足するほど雇用需要のある業種、業績がぐんぐんと上がっている企業を耳にします。
しかし、共通の課題が叫ばれていることもよく耳にします。それは何か、「次世代の育成」です。
需要があってもそれに対応できる人材の不足、人は集まっても束ねてリソースを活用し切れない
管理職のスキル不足、定年退職を前に技術を継承したいけれど、双方の業務量が多過ぎて、
時間の不足など、次世代の育成に着手できない障害となる理由は様々です。
目の前の業務で忙殺される気持ちは痛いほどわかりますが、
本気で考えないと2020年以降の明るい兆しが見えてきません。
今も見えない方は、今すぐ未来のための種まきをしましょう。
2020年まで6年は切りました。しかし、まだ間に合います。
スペシャリストのレベルに達するのに必要な時間としてよく言われる1万時間の法則があります。
1万時間を指標にすれば割り方にもよりますが、頑張って3年、ならして4年、着実に5年と
繰り返しになりますが、まだ間に合います。

 

2020年東京オリンピックには、また多くのモノやサービスが世に出されることも楽しみに、
私はそれを支える人たちの育成に全力を注いで参りたいと思います。

 

内田拓郎

組織開発基礎講座

先月、ODNJ主催の組織開発基礎講座へ2日間の通いで参加をして参りました。 講師は南山大学、人文学部人間心理学科の中村和彦先生。場所は九段下にあります日本精神・技術研究所にて開催をされました。今回の講座のテーマは2つ。「組織開発の基本的な考え方を知る」ことと「組織開発において重要な “ プロセスを体感的に知る ”」ことでした。参加者は、組織開発に携わるコンサルタントや企業の方を始め教育機関に携わる方、企業の人事に携わられている方々など、実に多彩な面々の方々が参加をされました。参加をされた方の多くが、よく笑った、楽しかったと感想を述べられたように、私も久々に本当によく笑い、よく考え、よく学びを得られた2日間となりました。

 

組織開発の根底には、ヒューマスティックがあります。それは常に人間尊重の考えを土台としたアプローチであり、そのためにコンテントだけを追い求めるのではなく、“ プロセス ” を重視します。組織開発で表すところのプロセスは、直訳するところの経過や過程だけでなく、お互いの中で起きていることを大切にします。例えば、会議の進め方や意思決定の場面で表しますと、以下のようなケースです。

  •  声の大きな方や職位の高い方の発言のみで一方的に進んでいる、意思決定がされているケース
  • 若手社員で意見を活発に言う方がいても、意思決定に反映されないケース
  • 会議でずっと沈黙を保って終わる方がいて、リソースが活かされていないケース

など、暗黙裡に決まっているルールや雰囲気の中の本質を掴み、組織開発ではコンテントのみでなくプロセスも重んじて見ます。プロセスを重んじると、参加意識が高まり、各々に主体性をもって臨む場になりやすく、よって生産性の高い場につながります。

 

今回行われた2日間の組織開発基礎講座では、初めてお会いする方がほとんどでしたが、プロセスを見て掴んで促進するを、非常に高いレベルで行う方々ばかりでした。ワーク中も皆が意見でも感想でも何でもいいので話せるように声をかける方、共感を示してくれる方、笑いに転じてくれる方がいて、楽しく文字通り笑いに包まれながらの講座となりました。こうして受け入れられるベースができていたので、次にもっとこの場を良くするためには、という振り返りの時間でも、活発に意見がでました。振り返りの中で話し合われた意見も批判・否定をされた感じは全然なく、生産的で効果的な相互フィードバックの場であったと私は思いました。私はこの講座を通して、弊社のクライアントに関わらず、世の中の企業全体、いや、世の中全てにおいてプロセスにも光を当てて接せられる世の中になったら、まさに世界平和で楽しい世の中になるのではないかとさえ思いました。ですから今回の講座から、ある方は職場で、または家庭で、そして公共の場でもこのプロセスに光を当てて、プロセスを見る力を養い、定着をさせたいというご感想に対し、私は非常に嬉しく共感をもって聞いておりました。

 

今回の講座では、参加者の考える企業の問題点を、ある方は前職においての話で、ある方は自社や企業が特定されない形でリアリティのある事例を混じえながら、お話をして下さる場面がありました。原体験や現在進行形の話しを聞いていると、私自身も自らに置き換えて考えたりしながら伺うことができたので、とても理解がしやすかったことも印象的でした。

 

私も含め、この講座で体験から学んだことを、参加者の方々が実生活の中でどのように今後活かされたかもぜひ、また共有できたらいいなと思っております。講座で一緒に学ばさせて頂いた方の中には8月30日・31日に開催されるODNJ世界大会へご参加頂ける方も多かったので、今から再会できることをとても楽しみにしております。

 

内田拓郎

 

チームビルディングと新撰組

コンサルティングのご要望に多いものの1つ、チームビルディング。

チームビルディングの構成要素の核にはコンセンサスがあると思います。

しかし、よく見られる大人の表層的なコンセンサスではビルドされず、もちろん「まとまれ!」と言っても

パワーマネジメントではまとまりません。今回は、幕末に散った新撰組を題材にその様子を感じて頂き、

コンセンサスに必要な本質を探ってみたいと思います。

 

壬生の狼と畏れられた剣客集団がおりました。その名は皆様ご存知、新撰組です。

局長の近藤勇を頂点に総長の山南敬助、副長の土方歳三、その下に副長助勤を配置しており、

沖田総司、永倉新八、斎藤一、藤堂平助、原田左之助、松原忠司など剣の腕、槍の腕、柔の腕など

各々の才覚を活かした凄腕の組長が支えとなり、1860年代に佐幕派として倒幕派と死闘を繰り広げ、

最強の剣客集団として名を馳せました。

局長、近藤勇は若かりし頃は試衛館、天然理心流という当時は名もない貧乏道場の主でした。

同時期、土方歳三も石田散薬の薬売りに過ぎませんでした。原田左之助は、浪人といえばまだ聞こえ

はいいものの一説には当時盗賊に槍の才を貸して何とか生活をしていたそうです。永倉新八も同じよう

なものでした。そんな彼らが、京都へ上り新撰組というチームを結成し名を轟かせ、儚く散って行きます。

 

壬生浪士組。

新撰組の前身となる組織名です。壬生という地域に集まった浪士の集まりですから、あまりにそのままの

組名で何とも垢抜けない印象です。当時の局長は3人。筆頭局長の芹沢鴨(せりざわ かも)と他に2名

の局長がおり、新見錦と(にいみ にしき)と近藤が務めておりました。結成当時の組員数はせいぜい15

名ほどだったと思います。

たった15名の組織に局長が3名。なんか、歪ですよね。これには理由がありました。当時の壬生浪士組

は芹沢一派と近藤一派の合同編成でした。つまり、たったの15名のチームで派閥争いを繰り広げていた

のです。

ですから、互いの人員を少しでも役職に就かせて主導権を握ろうとしていたのでした。

現代でもドラマにもよく出てきますが社長派・専務派、M&Aなどの機会でなにやら耳にしそうな話です。

時代が時代でしたからこの派閥争いは、近藤派による芹沢一派の暗殺という形で終止符は打たれます。

 

皮肉な話ですが、その後大所帯になった新選組は、コミュニケーションが複雑化し、士道に背くまじきことで

始まる、局中法度で半ば無理くりまとめあげようとしたところから、この新選組というチームは瓦解していったよう

に感じます。最初は近藤の人柄を慕ってスモールチームができ、その近藤のコアコンピタンスに惹かれまた回り

の雰囲気に惹かれして肉付けされるように人が集まり大きくなりました。

近藤はチームが大きくなってから、むしろ佐幕派のビジョンを前面に掲げ、CIカラーを浅葱色に染め、CIフラッグ

を誠とし、上記の局中法度を厳格に実行し、意識してチームをまとめようと腐心します。

結果は歴史が証明している通り、多くの組長・隊士の戦死、暗殺、逃走と惨憺たる末路を辿っていきます。

 

倒幕派の一掃というビジョン、基本は多勢で囲み少数を倒す戦略、死番と局中法度を敷いた上の徹底した

オペレーション。刀で敵を打倒する戦闘組織としては堅固なものでしたが、その先へ行くための共有できるビジョン

を描ききれず、局中法度をもってコンセンサスとした過ちを感じざるを得ません。

現代では、価値観や生活のスタイルが多様化し、現代は現代でチームビルディングを達成するのは簡単なことで

はありません。少なくとも制約の強化やパワーマネジメントでは歴史が物語っているように継続性に欠き、上手くはい

かないものだと思います。

 

ただ、近藤勇と近藤を囲む初期のメンバーを想像するに青臭いビジョンと人柄がまずは必要な要素なのだろうと思います。

 

 

内田拓郎