人事制度に魂を込める

課題の背景

長い歴史と安定した顧客を持った会社だったが、ベテランが退職していく中で技術伝承とマネジメント体制が揺らいでいた。親族から会社を継いだ社長の周りには、社長の年上の幹部も多く、幹部としても一枚体制になっていなかった。

そんな中で若手を中心とした組織体制を構築し、会社としての能力主義に舵を切るために外部の大手コンサルティング会社も入れて新しい人事制度を導入した。しかし、社員の意識が変わらないために新しい人事制度は「単に工数が増える厄介もの」に陥っていた。

CCIによる実行施策

当初、弊社には「人事制度の再設定」のオーダーが来たのだが、ヒアリングをしてみると制度以前に、そもそも会社としての向かうべき方向の認識が社内でバラバラであることが分かった。問題は制度ではなく、その前提となる組織ビジョンの不統一にあると伝え、まずはビジョンを明確化するためのコンサルテーションを行うこととした。

最初は幹部社員・中堅社員のそれぞれに対し、ビジョンを再度明確化するミーティングを実施。更に幹部・中堅の両方を一緒に、全体のコンセンサスをとるミーティングも実施した。

次に、ミーティングで明確になった、「会社の向かうべき方向」「本質的問題」「各階層・各部門に求められる責務」をベースにして、役員幹部とともに人事制度のマイナーチェンジを行ない、同時に制度を活用するための考課者研修を行った。そして、階層ごとの期待役割に具体的に対応する力をつけるために、階層別研修を行った。

施策による成果

結果として、世代交代が健全に進み、新たな幹部も抜擢され、かつ、若手社員からのボトムアップの規範も広がってきたことで、顧客に安定した価値提供を続けられている。

事業部閉鎖危機からの業績V字回復

課題の背景

主力事業部の業績が低迷し、撤退するかどうかの瀬戸際まで追い込まれていた。新トップのもと、復活のための戦略を実行する組織をどのように創るかがテーマだったが、何度ものリストラで仲間を失ってきた社員の気持ちは荒れ、無力感さえ漂っていた。

CCIによる実行施策

管理職以上を階層ごとに全員集め、数日間にわたり徹底的に自分たちの存在理由と戦略を掘り下げていくコンサルテーションを実施した。その結果、自分たちの達成感の源泉は顧客にこそあるという気付きが生まれ、本部と営業の関係性やエリア戦略等について顧客を軸とした再設定がなされた。拠点毎に新戦略を落としこむと共にクロスファンクショナルチームも結成。新戦略実行のPDCAに横串も通していった。

施策による成果

業界他社の売上が大きく前年を落とす中で、見事V時回復を果たし、事業の存続も決定した。