• Posted 12.11.30

去る11月29日、日本リスクマネジャー&コンサルタント協会との共同セミナーを開催いたしました。
今回は初めての試みとして、富士火災海上保険株式会社シニアリスクアナリストの大村氏と私(平尾)での二人三脚でファシリテートいたしました。

このセミナーの狙いを一言で言うと、「本当に実効性のある事業継続マネジメント」。

このテーマは、多くの企業がリスクマネジメント計画や事業継続プラン(BCP)を策定しながらも、2011年3月11日の直後にその計画が機能した組織と機能しなかった組織の違いをリサーチしていく過程で浮かび上がってきました。

つまり、緊急時にきちんと計画を機能させるために大切なのは、第一に何が起きるかの想定の幅をできる限り広げ準備しておくこと、また、いざという時に計画がきちんと運用されるには、常日頃、平常時の組織の中の関係性や規範を認識しておくことです。
この大切な事を皆さんに体験的に考えていただこうと、本セミナーを企画いたしました。

 

 

具体的な進行は以下の通りです。

まず最初に緊急時の対応をシミュレーションで体験して頂きます。
「経営会議の最中に大地震が起きる」という場面設定です。
参加者のみなさんには架空の会社の経営幹部として、グループの中で、社長、専務、常務、製造部長という役割を演じて頂きました。

災 害が起こった瞬間、現実と同じように突然の轟音と女性アナウンサーの緊急地震情報が流れます。当然ですが、まずはなすすべもなく、全員が机の下にもぐりこ みます。その光景を見て、私自身も一気に2011年3月11日に引き戻された気がしました(当日のその瞬間も私はセミナーの真っ最中でした)。

轟 音が収まった後は、次から次に、経営陣としての決断・行動を迫られる情報が音声とメモで入ってきます。従業員の安否・建物の被害・近隣住民や取引先との 関係・インフラの停止・度々起こる余震などです。メンバーの方は、話合い、悩みながら、限られた時間で意思決定していきます。そこではリアルな会議と同じ ように、統制を働かせて動くチーム、役割よりも緊急性を重んじるチーム、役割に沿って慎重に動くチーム、など様々な「チームの形」が現れます。

 

実習を終えた後に、まず大村氏が危機管理専門家として、振返りをいたしました。
「どういう判断が正しいか誤りか」ではなく、どのような優先順位だったのか?どこまで多面的に考えての判断だったのか?この非常時が過ぎた後に評価される決定なのか、など鋭い視点での投げかけがあり、深い内省と納得感がありました。
次 に、私から実習で見えた黙示的規範や、組織としてそこにどのような危機が見えるのかについて、プロセスから振返りを行い、更に、組織開発の見地から、緊急 時を乗り切るための平常時における組織文化についての講義をいたしました。たまたま集まったグループにも関わらず、それぞれに、全く違う規範が誕生してい たこと、またその規範に従って自分達が動いていたことに気付き、みなさん驚いていらっしゃいました。

 

終了後には「シミュレーション後に、危機管理と組織の両面から考えさせられたことにより、非常に深い学びを持てた。」「もっとロングバージョンを体験したい。」といったご評価をいただきました。

私自身も、あらためて本セミナーをやってみて、仮説が確信に変わりました。
今後も、ブラッシュアップしながら続けたいと思っております。ご興味のある方はご連絡をいただければ幸いです。

 

平尾貴治