• Posted 13.12.17

12月11日付の日本経済新聞に、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が女性のメアリー・バーラ氏を最高経営責任者に昇格させる記事があり、そのすぐ隣には、南アフリカで反アパルトヘイト(人種隔離)闘争を率いたマンデラ氏追悼式で弔辞を述べるアメリカ初黒人大統領のオバマ氏の写真がありました。
ビジネスにおける女性と社会における黒人という、どちらもマイノリティと言われた立場を覆した象徴的とも言える記事二つでした。

 

一方で、多くの日本企業を見ると、まだまだマジョリティ中心の規範が見られます。
例えば、国内の企業で役員や課長クラス以上の管理職に就く女性の割合は、全体の11.1%しかいません。これは、米国の43.0%やフランスの38.7%、シンガポールの34.3%に遠く及んでいません。(内閣府調査)
ダイバーシティ(組織内の多様性)の話になると、「働く人の公平感のため」といった福利厚生的な意味付で仰る方も多いようですが、私はあくまでも「変化の時代に成果をだすための必要条件」だと考えています。

 

実際に、私達は戦略が新たな局面に入るとき、企業丸ごと、あるいは事業所丸ごとでの戦略ミーティングをお手伝いすることがあります。
そこでは組織のトップから現場のメンバーまでの多階層のメンバーを集めて、「自分たちが今までとどうやり方・あり方を変えるか」を徹底的に話し合っていただくのですが、正解のない話し合いは防衛が働きやすく、硬直してしまうこともよくあります。
そんな時に、女性や若手社員、あるいは外個人社員の一言によって、一瞬にして停滞した場が動きだす瞬間を何度も見ているのです。
いわゆるマジョリティは、その組織独自の枠組みにはまりがちになってしまいますが、そうでない人達は、ごく自然に本質的な組織の問題を指差すことができるからです。
私自身も、かつて企業内で破綻を経験した時に、再建のために外部から入った専門家に「貴方の常識は世間の常識ではない!」と言われた衝撃があります。
しかし、私のような経験をせずとも、内部者の力で枠組みをはずせれば、それに越したことはないのです。

 

来年は、消費税アップやTPP進行など、ますます変化は加速します。
その中で成果を出し生き抜くには、先ず、自らの組織内に違う価値を認め合うダイバシティを存在させることこそが必要なのではないでしょうか。

 

平尾貴治