江戸時代の商人
2014.05.23ブログ
先日、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を見ていて、織田信長に拝謁する今井宗久のシーンに目が止まりました。
荒木村重の謀反により摂津国周辺が騒々しくなり商売に差し支えている。早急に治めてほしい、そんな
要望を信長にする今井宗久。一騎当千の大名も慄(おのの)く信長に対し、今井宗久の堂々たる振る舞いでした。
猛将、智将、謀将とキャラクターに事欠かない戦国時代にあっても、あの今井宗久の姿はカッコイイ!そう私は
思いました。
本能寺の変、賤ヶ岳の戦い、関ヶ原の戦い、時代は流れ戦国の世は終わり、商業が一気に盛んになった江戸時代。
現代にも通じる商売のノウハウがこの頃から見られます。
「売り手よし 買い手よし 世間よし」とは今の滋賀県にあたる近江商人の言葉です。
売り手よし、買い手よしは現代で言うところのWIN WINであり、世間よしはさしずめ企業の社会的責任、CSRと
いったところでしょうか。
また得意先の周辺を隅々まで観察し、町の戸数、豆腐屋、酒屋、湯屋の件数を調べあげ、得意先で供された
夕食の献立からその家の経済状況を探り仔細を記録する徹底ぶり。まさにこちらはマーケティングです。
近江商人といえば西川甚五郎。西川甚五郎は、武士相手の商売だけでなく、同じ町人の言葉にも熱心に耳を傾け、
情報収集を欠かしませんでした。一通り聞いて回ると共通の問題が出てきました。
「夜、蚊が多くて眠れない」。
西川甚五郎は蚊帳の製造・販売をし、三方良しを実現したいへんに儲けたそうです。しかも町人のマーケットを創出し
たこともすごいことです。売り手よし、買い手よし、世間よしの三方良しで商売ができたらこんなに幸せなことはないなと
思います。
情報過多の時代は注意を奪われる時代です。私は時々何を取捨選択すればいいのか非常に悩むことがあります。
あれもこれもいいなぁ・・・お、それも!と情報を集め、頭がパッチワークになり整合性のない考えになってしまいます。
そんな時は、自分の原点回帰さえも飛び越えて温故知新、過去や歴史に学び、判断材料にしています。
元々歴史が好きなこともありますが、上記のように現代にも通じる要素は多くあり、歴史を通じて腑に落ちること、
よし!間違いはないな!と確信をもつに至ることがあります。言語や表現の仕方など違いはありますが、今も昔も本質は変わりません。
自分の原点へ立ち返ることも大切ですが、自分の歴史だけではなく世界各国、人の歴史に学ぶことも多いのでぜひ、
迷ったり悩んだり煮詰まったりしたら、歴史に目を向けてみてください。
余談ですが、再来年2016年の大河ドラマはタイトルが「真田丸」。真田幸村が築いた出城の名前だったと思います。
確か大阪冬の陣で大いに徳川家康を苦しめた戦術の1つでした。
主演予定は半沢直樹を演じた「堺雅人」、脚本は「三谷幸喜」。今から待ち遠しくて仕方がありません。
内田拓郎
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