マーケット・インの罠
2014.09.03ブログ
「いらっしゃいませ。」その声がなんとなく元気なく感じたのは、私の先入観からでしょうか?
そこは、経営の苦戦が伝えられる某外食グループの店内。
世間では、顧客の低価格欲求にとことん応えるために、ローコストオペレーションを極限まで進め、結果的に組織が疲弊して生産性を低下させたと言われています。
私は、オペレーションが回らずに洗い物が山積みにされている店内を見ていて「お客様の声にどこまで付き合うことが最善か?」と考えてしまいました。
実は先日、外部の仲間との勉強会で「これからの時代こそマーケット・インではなく、プロダクト・アウトだ!」という声がありました。
言うまでもなく、マーケット・インとは、まず顧客のウォンツやニーズから事業戦略を考えることであり、プロダクト・アウトとは、まず自分達の売りたいもの(提供したいもの)があり、そこから事業戦略を考えることです(本当はもっと深く複雑ですがここでは割愛します)。
一般によく言われるのは、「かつてモノのない時代に、企業は傲慢にプロダクト・アウトの思想で商売をしすぎた。これからは謙虚にマーケット・インになろう」という話です。
私も、原則はこの意見の通りだと考えます。でも、もしかしたら提供側の哲学と意志がないまま、あまりに簡単にお客様の声に従い左右されすぎるというデメリットも出始めている気がします。
マーケット・データは大事です。でもそれは自分のやりたいことに道を示すためのツールに過ぎません。
私たちは決してデータの下僕になってはいけないのです。
こんな時代だからこそ、私自身も、自分の揺るがない哲学を持って「一点の曇りもない」モノやサービスを提供したいと思います。
平尾貴治
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