コンサルタントブログ
箱根のライバル物語―競争から協力へ―
2025.06.19ブログ

先日、箱根を訪れました。湯本を過ぎてしばらくすると、西武グループの「伊豆箱根バス」とすれ違い、その瞬間、かつての「箱根戦争」を思い出しました。
戦後の箱根は、西武グループと小田急・東急グループが観光客を巡って激しいライバル関係を築いた場所。でも今は、協力し合う時代になっています。なんだか、長年のライバルが仲直りするような、そんな歴史の変化を感じました。
箱根戦争って何?
昔、箱根を観光地として発展させるために、小田急・東急グループと西武グループが競い合っていました。
交通の戦い:西武グループは「伊豆箱根鉄道」や「伊豆箱根バス」、小田急・東急グループは「箱根登山鉄道」や「海賊船・ロープウェイ」で観光ルートを確保。
ホテル合戦:西武は「プリンスホテル」を箱根に展開し、小田急グループは「富士屋ホテル」などの老舗旅館と協力。
バス路線の攻防:どちらも自社のバスで箱根を巡れるようにしたくて、裁判や政治的な駆け引きまで行われました。
このライバル関係は、獅子文六の小説『箱根山』にも描かれています。企業間競争の熾烈さがリアルに伝わる作品ですね。
今はどんな関係?
昔は戦っていたけど、今は協力の時代になりました。
ホテルの相互利用:東急ハーヴェストクラブとプリンスホテルが提携して、お互いの施設を利用できるように。
バスも選べる時代:箱根湯本から大涌谷へは、小田急グループの「箱根登山バス」と西武グループの「伊豆箱根バス」の両方が走っていて、好きな方を選べる。
観光地の開発も協力:それぞれの企業が特色を活かしながら、箱根をさらに魅力的な観光地にしている。
企業競争と組織開発の視点から見る箱根
箱根戦争は、企業の競争戦略や組織運営の視点から見ると、とても興味深い話です。
競争から協力へ:最初はライバルだったけど、最終的には協力する形になった。これは、企業が競争と協調のバランスをどう取るかを考える上で、重要なポイント。
組織の変化と適応力:時代が変わると、企業の戦略も変わる。西武は箱根園を中心に観光開発を進め、小田急は湯本駅周辺の再開発を行うなど、それぞれの強みを活かしながら戦略を進めている。
ブランド戦略の進化:競争が激しくても、ブランド価値をどう高めるかが重要。箱根では各企業が独自の施設やサービスを展開し、観光地としての魅力を最大限に引き出している。
歴史を感じながら箱根を巡る
昔は競争が激しかった箱根。でも今は、企業同士が協力し合いながら観光地としてさらに魅力的になっています。
こういう背景を知りながら箱根を巡ると、歴史の変化や企業戦略の面白さも感じられて、また違った楽しみ方ができそうですね。
実施プログラムについてご質問やご相談等ございましたら
下記にてご連絡くださいませ。