レバ刺し禁止に思うこと
2012.07.05ブログ
今月より食品衛生法に基づき牛の肝臓の生食(いわゆる「レバ刺し」)が禁止されました。
今回の厚生労働省の通達に対しては色々な意見があるようです。ことの是非については食や法律の専門家ではないのでよくわからないのですが
「すでにある文化・習慣をを法や仕組みで規制する」ことに対して思ったことがあります。
ここ10年ほどを見ても文化や習慣に対して行政によるアプローチがいくつかありました。
その1つが「路上喫煙禁止」です。
それまで街中で見かけていた路上喫煙や吸い殻のゴミなどは現在では都市部においてはほとんど見かけなくなりました。
もう1つが「車の後部座席でもシートベルトの着用の義務化」です。
こちらは私の乗ったタクシーの運転手さんの話ではあまり変化はなく、多くの方は後部座席ではシートベルトを着用するに至っていないようです。
路上喫煙とシートベルトの違いは何だったのでしょうか?
これは私の周囲の方の反応ですが、「路上喫煙はやめてほしい」「無くしたい」という意見が多かったのに対して
シートベルトは「面倒だね」という意見が多かったのです。
つまり社会として路上喫煙禁止の方が同意し、納得していたということです。
社会を組織に置き換えると私たちがお手伝いさせて頂く状況によく似ています。
中期経営計画・戦略・制度を新たに策定したけど、従来からの変化を起こせずにご相談を頂くことはよくあります。
多くの場合で起こっているのは経営計画や戦略などの内容ではなく、社員の方々が納得感を持てていないことが問題になります。
「どれだけ新たな仕組み・方針に対する納得感をつくりだすか」は習慣や規範を変えていく上で不可欠であると共に難しい問題です。
今回のレバ刺しがどういった結果になるかはわかりません。
しかし愛煙家であり、レバ刺し愛好家である私にとって改めて社会にとってODの必要性を考える良い機会になりました。
藤田 誠
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