トップのBeing
2012.10.01ブログ
先日、社内のミーティングで、「戦略をやり切る」組織を作る上で何が一番重要なのかという話が話題になった。何よりトップのコミットメントが重要なことは言うまでもない。しかし他にもいくつかの重要点が上がった。そのなかで印象に残った部分を紹介したいと思う。
・戦略を実行する上で、上は何が必要か下に要求しているか。
スタッフから最近の体験として、戦略があっても、それを実行していく上で幹部や社員に対して明確に「要求」していることが、伝わっていない事が実に多いという問題提起があった。本質を変えるために何を主語として、何を具体的に変えなくてはいけないか伝わっていないのだ。
どうしてそんな状況になるのか、自分の中で反芻してみた。自分が上の立場として伝わっていない状況を想像すると、ビジョンを伝えたので、伝わったつもりになっている事がまずは思いついた。そこで思わず聴いてしまった。「俺ってみんなに要求しているかな?」
その事例を出したスタッフから「要求してますよ!!」と半ば憤慨しながら即答してきた。ふーん、そんなに要求していると感じているんだ。私自身は伝えたつもりになってはしないか、と内省したつもりだったのだが、そうではないらしい。
・トップが社員の言うことを聴いているか
次に話題になったのが再生できる会社とそうではない会社の違いだ。
現在、潰れたり潰れかけたりした企業の再生の案件が増えている。そんな会社に関わってV字回復を果たし3年もしないうちに次のチャレンジブルな成長戦略を描いている社長の共通点は「人の話を聴く」ことだ。
ある会社の再建を託された社長は、社員一人ひとりと全員面談した。また別の再建を託された会社の社長も、休みの日にも現場に出向き現場を観察し現場の社員と対話している。どちらも決して小さな会社ではない。どれだけのエネルギーが必要か。そんな社長は私達の苦言にもオープンマインドで聴いてくれる。そんな社長にはこちらも一肌脱ぎたいと本気になる。
一方で人の話を聴かない社長も少なからずいる。戦略は良くても社員のモチベーションは上がらない。自分の意志が通じないのを社員のせいにしたりする。自分に都合の良い情報には反応するが、都合の悪い情報には真正面から向き合わない。結果的にやらされ感が蔓延し、中にはメンタルを病んでしまう人も出る。
社員は自分の事を聴かれた以上には、社長や上司の話は聴かないという原則があるようだ。自分の本音を言い切らないと、人の話も聴ききれないのだ。
大島 岳
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