7月23日(火)開催 経営のための組織開発セミナーのご案内

心理的安全性が戦略の実行力と納得力を上げる

~そのための第一歩は経営層及び幹部間に心理的安全性を作ること~

企業経営においては、成果を強く求められる一方で、厳しいコストダウンや働き方改革による稼働低下という二律背反する経営課題が突き付けられています。

そうした現状を打開するには、今迄とはレベルの違うリスクテイクや部門連携が必要です。しかし、それは単なる仕組みの変更や精神論で実現できるものではなく、心理的安全性の中で主観をぶつけ合い全体最適を握り合うことが必要です。

心理的安全性とは単なる仲良し組織ではありません。本セミナーでは、弊社が32年間、組織開発の第一線で変革の支援をしてきた実績から「本気の部門連係」を経営に創り出す事例と論理的背景をお伝えいたします。

開催概要

日時:2019年7月23日(火)  15:00~18:00(開場14:45)18:30より懇親会

会場:グランパークカンファレンス302東京都港区芝浦3丁目4−1 田町グランパークプラザ棟3階  JR田町駅(徒歩5分) 地下鉄都営浅草線・三田線 三田駅(徒歩7分)
(https://www.granpark.jp/access/)  

定員:30名
参加費:セミナー&懇親会 30,000円 (消費税込み)同一企業様より複数名が同時にお申込みいただきますと以下のように割り引かせていただきます。   2名様の場合、合計60,000円⇒ 50,000円。 3名様の場合、合計90,000円⇒ 66,000円 

プログラム

1、組織開発による戦略成果実現の事例紹介
コストダウンに悩む某企業において、経営幹部の間に心理的安全性を創り上げることで、本音で主観をぶつけ合い、これまで考え付かなかった部門連係による解決策が実行されたケースをお話します。

2、CCIのアプローチによる心理的安全性の理論的背景
事例を踏まえて、通常の組織において本質的討議を実現させられない心理的メカニズムや、それを打破するための具体的な働きかけの論理的背景をご説明します。

3、ありたい組織像を実現するための問題の整理
事例と理論的背景をふまえて、ご参加いただいた皆様自身で、自組織で心理的安全性を生み出すことで解決していきたい根深い問題を整理していきます。

講師

大島岳プロフィール


(株)シー・シー・アイ代表取締役会長。1986年に株式会社シー・シー・アイを設立。独自の研究活動を行い企業や公共団体の経営活動・組織運営・文化戦略のあり方などをテーマとして、コンサルティング・教育・講演・情報サービス、調査などを行っている。ODネットワークジャパン理事/事務局長。

平尾貴治プロフィール

 


(株)シー・シー・アイ代表取締役社長。2000年に大手流通企業にて経営破たんを体験し「戦略や意識だけではどうにもならない組織の本質」を感じる。多くの企業に対し「健全な危機感を持ち本音で話し合う組織と、犠牲者感のない社会創り」に取り組んでいる。2018年4月社長就任。

参加お申込み

※満席になり次第、入場をお断りする場合がございますので予めご了承ください。なお、本研究会は、組織内部で組織開発に携わっている方を対象としております。
下記の右側をスクロールしていただくと、申込みフォームが出てきますのでそちらから入力をお願いしたします。
不明点があれば、info@cci-od.jpまでお問い合わせください。

セミナーご報告:組織開発実践研究会「事業開発戦略と組織開発」

7月26日(木)に大手町ファーストスクエアカンファレンスにて、組織開発実践研究会「事業開発戦略と組織開発」をNTT東日本で内部実践者として多くの新規事業を手がけてこられたNTT東日本の長谷部豊氏をお招きし、開催しました。

講演「組織開発と戦略の結びつきについて」

最初に、弊社代表取締役社長の平尾より「組織開発と戦略」についてお話をさせて頂きました。ともすると内部システムの話になりがちな組織開発を戦略、外部環境と結びつけることの意味や背景にある考え方をお伝えし、ご参加いただいた皆様によるバズセッションなどを行いました。

講演「新たなる事業想像に向けて~もう1つの働き方改革~

続いて長谷部氏から実際にプレスリリースまで行った事業開発について、ご自身の体験を成功・失敗の両面から講演いただきました。なかなか聞くことの出来ない生々しい「成功した事業の背景」や「失敗体験からの学び」を赤裸々に語ってくださいました。また、その体験から組織の中で事業開発を進めるために必要なことを、個人の観点からと組織・チームの観点からをまとめて全体で共有していきました。

講演「CCIでの組織開発の事例紹介」

長谷部氏の話をふまえ、最後に弊社代表取締役会長の大島より弊社での組織開発導入の事例をご紹介させていただきました。。まずエントリーから経営幹部と共闘体制を築き、マネジメント層が経営に対して当事者意識を持ち始めるところまでをお話させていただきました。続いてその後に実際に新規事業が社内で動き出すまでの流れを経営的視点からと社内で事業提案に至るまでのプロセスまでをお伝えさせて頂きました。

質疑応答と感想の共有、懇親会

最後に長谷部氏、大島に対してご参加いただいた皆様から質疑応答と感想の共有を行いました。講演内容についてからであったり、事業開発を行っている時期における仕事と家庭での在り方についてなど様々な観点から質問がありそれに対しての回答をいただきました。

また終了後は、希望者の方と懇親会を行いました。講演での気づきや自身の組織に当てはめての話など参加いただいた皆様同士で交流を深めていただきました。

 

 

 

ご参加頂いた方からの感想(抜粋)

  • 大変な熱意を感じ、私も熱いものがこみ上げてきました。今日から見習って参りたいと思います。ありがとうございました
  • 大手企業で様々な利害がぶつかり合う中で、ワクワクする開発会議にする。というコミットがとても素晴らしいと思いました。
  • 閉塞感を破るものとして「社内」ではなく「市場」「お客様」というキーワードがあったのは参考になった。
  • 30社に会って、使命感が芽生えるという話しは非常に分かりやすかったです。他にも使命感が芽生えるきっかけの話しがありましたらお聞かせいただきたいです。
  • チームが変わるメカニズム1~4のエッセンスを少しずつ実施していたが、チームの変革までは導けていなかったと反省した
  • やはり机上だけではダメ。現場に足を向ける。

 

 

 

組織開発ラボラトリーに参加しました②

7月14日~15日に南山大学にて行われた「組織開発ラボラトリー」に参加してきました。今年は「対話型組織開発」という考え方の提唱者の一人であるジャーヴァス・ブッシュ氏が講師として招かれ、全国から60名の組織開発実践者の参加する講座となりました。

今回の講座に参加するにあたって個人的には我々の行っている組織開発の価値観、考え方がどういった位置付けに分類できるのか?ということを明確にしたいと思っていました。我々はODマップと言われる診断型組織開発のアプローチをベースにした進め方を行うことが多くあります。しかし、一般に言われる診断型組織開発とは何か違うと感じていたこともあり、改めて自分たちの組織開発コンサルタントとしての関わり方を見直していきたいと考えていました。

参加してわかったことは、我々のアプローチは対話型組織開発の価値観に限りなく近いものであり、手法として診断型組織開発のステップを使っているということです。コーディネーターである中村先生から「診断型と対話型というのは組織開発の考え方の極にあるもので、実際の組織開発のアプローチは2つのグラデーションの濃淡と考えた方がいい。だから診断型に近い価値観でのアプローチであることもあれば、対話型に近いアプローチもある」と言われ、自分たちの組織開発の位置づけが見えてきました。続けて説明してくれた「ブッシュさんも講義の中で言っていたけど、もともとブッシュ先生たちは診断型組織開発をモダン組織開発、対話型組織開発をポストモダン組織開発という言葉で定義していたでしょ。」という中村先生の言葉で自分の中にあるモヤモヤがスッキリしてきました。

我々がコンサルテーションや研修を行う際には、診断フェーズでサーベイやヒアリングを実施します。その診断結果に対しての良し悪しや解決策は我々が提示するのではなく、その結果をどう見るか?ということを経営幹部や変革推進者の方々と話し合い、プロジェクトの進め方を決めていきます。診断や対話というのはあくまでも手法に過ぎず、ポストモダン的な価値観で進めていくことが我々の関わり方の価値観であることが改めて認識できました。

近年、組織開発に対する関心は経営者や人事部門の方の中で大きくなってきています。そういった中、様々な手法や考え方が新たに生まれ、紹介されています。このタイミングで自分たちの行っている組織開発の価値観の位置づけを明確に出来たことで、今まで以上にスッキリとクライアントの皆様と向き合っていけると感じております。

written by藤田

CCI NEWS LETTER Vol.1(続き)

CCIの広報紙『CCI NEWS』創刊号より大島・平尾両代表による対談の最終回になります。

「われわれコンサルタントがちゃんと自分の正体を見せ、われわれ自身がフルコンタクトで当たっているか」(平尾)

 

平尾:今の話を聞いていて、先ほどの「ストーリーで個人も組織も全部ひも付けながら考える」という状態を実現するために、CCIは「ガチで話し合わせる」ということを中核に置いているということにつながりました。
個別に切り分ければ矛盾しないことでも、ストーリーで結び付けたときには絶対矛盾は生まれます。「自分個人はこれをやりたいけど、会社はこっちに向かっている」、あるいは「営業部としてこうやりたいけど、財務の人はこっちに行きたい」という矛盾です。そうした葛藤を乗り越えるためにはガチでの話し合いが必要なんです。

しかし、ガチの、本当に「フルコンタクト」(空手の対戦で防具を付けず身体に直接攻撃し合うスタイル)のミーティングを行おうとしたときに、そこですごく大事になるのは、「われわれコンサルタントがちゃんと自分の正体を見せ、われわれ自身がフルコンタクトで当たっているか」というところがポイントになります。

 

大島:今本当に思うのは、われわれCCIのコンサルタントが解決しなければならない組織課題はいつも二律背反なんですよね。この二律背反しているものの中で、みんなそれぞれ正しいことをそれぞれの立場で思っているし、やっている。でもその二律背反したものに対して、今までと違うつなげ方や見方を作り上げていくのが、われわれが提供する一番の価値だと思います。

 

平尾:そうですね。例えば、「もっと数字を上げろ、シェアを取れ、だけど働き方改革だから残業するなよ。ワークライフバランスだ!」とか、まさに、世の中に二律背反が増えています。こうした時代の変化の中で、新たにCCIがしっかりと価値を創出するにはどのようなことに取り組めば良いのでしょうか。

 

大島:二律背反に対峙するときに、一番うまくいかないのは受け身になっているときではないでしょうか。そういうときは、義務感になり発想も貧弱になってしまう。
そう思ったときにいつも自分自身に対して、「自分は本当に何がしたかったんだろう?」と問いかけていく。それが「今までになかったことを考えよう」「違う人たちをこう巻き込めば今のことは解決しやしないか」という二律背反を乗り越える発想に変えることで、「外在的価値で動く組織ではなくて、自分自身の中にある、内在的価値で動く組織を作る」という方向に向かうのではないでしょうか。

 

「そもそものあなたはどういう人、私はどういう人、うちの会社は何をしたいのか、そこを話さないと、もう前に進まなくなっている」(平尾)

 

平尾:今、言っていた「受け身」というのが、自分のよく使う言葉でいうと、「犠牲者感」につながる気がします。
組織内の中高年は上が詰まっているし、役職定年でそれまでの自分の部下の下に就かなければいけない。そうして将来の夢が持てない中高年を先輩として見ている20代・30代の人も「この会社に長くいてもしょうがない」と思ってしまう。新入社員も「今だったら第二新卒だから」と1年で1割が辞めています。まさに新人から幹部まで全部が犠牲者感です。
大島さんは、そういう人たちにどういうメッセージを送りたいですか。

 

大島:少なくとも「自分は本来何をやりたかったのだろう?」ということを、それこそ仕事の場の中で話す機会や話し合える関係自体を作るということをしていかないと、事業に結びつく組織開発をしたいと言っても、今のようなところで止まってしまうことが現実にあります。

 

平尾:確かにそうですね。やはりこれだけ混沌とすると、本当にそもそものあなたはどういう人、私はどういう人、うちの会社は何をしたいのか、そこをオープンに話さないと、たぶんもう前に進まなくなっていますよね。

 

「平尾さんは根っこの部分はそろっているし、価値観も本当に握れる人だと思うから、社長を託した」(大島)

大島:そうですよね。改めて今こういう話をできて、平尾さんは根っこの部分はそろっているし、価値観も本当に握れる人だと思うから、社長を託しました。一方で期待していることは、平尾さんは平尾さんとしての「らしさ」を発揮することによって、もっと周りの人たちを楽しくできると思います。そういう観点から見たときに、一番平尾さんらしいものを発揮したいことは何ですか。

 

平尾:そうですね。事業としっかり結び付いて組織と個人がリンクした瞬間に、先ほどの犠牲者感の逆の自己肯定感が溢れた感触があります。その時に本当に楽しいというか豊かな気持ちになります。CCIは時として「本当にこの組織にもう解決策はないのではないか」「この事業部とこの事業部とは二度と手は握れないのではないか」といった組織に入っていくこともあります。そんな状態でも、葛藤を乗り越えて内部者のスイッチが入る瞬間があります。そういう場面に立ち会うと、本当にワクワクしますよね。
フルコンタクトの話し合いをしなければたぶん行きつかなかったことなんですよ。そこに立ち会えた時は、本当に死んでもいいと思いますよね(笑)。
だから、それがやり続けられる会社をちゃんと続けていきたいですよね。

 

「これだけ複雑性と多様性が広がるとアナログだけでなく、プラスアルファのテクノロジーは絶対必要」(平尾)

 

大島:平尾さんらしいフルコンタクトで、頑張ってこれから経営を担ってほしいですね。反面、僕自身もこれで引退するつもりは全然ないんで。「陰で支える」という、そういう役回りでいくことも選択肢としてあるのかもしれないですが、それよりも、これだけこのクライアントが変わらなければいけない状況の中で、われわれが今まで提供していたサービスをもっと変えてやろうと思っています。
例えば、自己成長し変わり続けられる組織を作る援助をしていくという新しいサービス開発をするところに、僕は注力していきたい。それをすることが、平尾社長を応援していくことになると思ってこれからやっていきたいと思います。平尾さんはこの話を聞いてどんな風に感じますか。

 

平尾:同感します。この対談の中では、アナログな部分を中心に伝えていました。それはそれでもちろんわれわれは大事にしているのですが、ただ、本当にこれだけ複雑性と多様性が広がるとアナログだけでなく、プラスアルファのテクノロジーは絶対必要だと思っています。
本日はありがとうございました。

CCI NEWS LETTER Vol.1

私たち株式会社シー・シー・アイ(以下、CCI)は組織開発コンサルタントとして、30年以上歩んできました。このたび、2018年4月1日より代表取締役社長に平尾貴治が就任し、大島岳は代表取締役会長となり2代表の新体制を発足しました。

新体制発足を機にCCIの広報紙『CCI NEWS』を創刊、隔月刊で発行する運びとなりました。今回は4月に発行した創刊号より大島・平尾両代表による対談の全ての内容を2回に分けてこのブログでもお届けします。

CCIの組織開発プログラムは「仕組みなどのハード面も、気持ちや関係性などのソフト面もトータルにストーリーを持って考える」こと

 

平尾社長(以下、平尾):今回新体制でスタートする、CCIの節目で大島さんといろいろと話したいと思っています。最初に、CCIが30年以上続いてきた中で、そもそも会社を立ち上げた時に何がしたかったのかを改めて話してもらえますか。

 

大島会長(以下、大島):僕自身は、もともとサラリーマンとしてコンサルタント会社に属していたのですが、20代は営業をしていて、30代でいよいよコンサルタントに移ろうという時に、「呼ばれている会社に出かけて、研修だけを行っているようなコンサルタント」は、違和感があったんです。
一つ一つのクライアントに対して本当にガッツリ入り込んで、クライアントの本当のニーズを実現していきたいという思いに至り、その会社を辞めて、CCIを立ち上げました。

 

平尾:そもそも組織開発自体もとても幅広い概念ですが、われわれCCIにとっての組織開発とは何だと捉えていますか。

 

「全体をストーリーとしてつなげていくことにこそ、一番存在価値があるのではないか」(大島)

 

大島:私にとっても組織開発というのは、クライアント自身がそもそも何のために存在しているのか、という問いに結局は行き着くと思うんですね。社会に必要とされるニーズに対して、クライアントは事業を通して実現していくということを考えると、やはり「事業戦略を実現するための組織」であるということです。
その実現したい事業と結び付けていったときに、組織はどう成長し、一人一人はどう成長しなければいけないのか。それらが風土も含めた「部門と部門」「個人と個人」の関係性などが全部ストーリーとしてつながっているのか、ということです。

 

平尾:自分は長くサラリーマンだっただけに、最初にCCIのプログラムに入って感じた衝撃というのはまさにそこです。
CCIのプログラムにおいては、具体的で現実的なタスクの話をしながらも、必ず同時に、「あなた個人は、会社や組織はどうありたいと思っているのか、強いては社会に対してどうありたいのか」「その組織で、あなたは何をしたいのか」という、あなた自身の「will(意志)」とずっとリンクさせながら、話し合っていただきます。そうしたCCIの行うプログラムに初めて参加した時に、自分が体験した破綻した企業においては、こんな風な話し合いというのは一切なかったな、と思ったんですよ。

 

大島:今思い返しても、平尾さんがCCIプログラムに参加し始めたときに、「本当にこの場にいられることが楽しい」という感じが溢れていましたよね。

 

平尾:面白かったです。面白かったし、悔しかったですよね。
ある意味、自分のサラリーマン時代の悩みに対しての「答え合わせ」をしている感じで、こうしていけば、組織は変われるんだと確信できる面白さと、反面、「ああ、自分の以前の会社ではこれができなかった」という悔しさと、両方を感じていました。
ところで大島さんは30年以上にわたり、CCIの組織開発をしてきました。その歴史の中で、CCIで仕事をしてきて良かったと思ったことは何でしょうか。

 

大島:今思い出すと、初代の社長だった吉田さんから学べた経験は良かったと思います。

最初に出会ったころに、吉田さんはお客さんからの無理難題に対して、「私は、それはしません。それだったら私ではない人に頼まれた方がいいんじゃないですか?」と、サラっと断ったんです。
結果的に吉田さんが断った同じ日の午後に先方の人事部長から電話があり、驚いたことに、「あの吉田さんにやってもらいたい」ということになりました。自分たちの本当に願っていることや価値観を真剣に伝えていくことが大事なことだと学びました。

 

以下 次回(5月末更新予定)へ

7月26日 開催 組織開発実践研究会「事業開発戦略と組織開発」~CCI新体制のご紹介を兼ねて~

激変する外部環境の中、従来の戦略やビジネスモデルは陳腐化し、新たな事業の開発が求められています。しかし、新規事業戦略を作り実行していくためには、既存をベースにした戦略とは、本質的に組織のあり方も構造や風土も含めて変化させる必要があります。本セミナーでは、NTT東日本で多くの新規事業開発を手掛けてこられた長谷部氏をお招きし、「事業開発戦略と結びついた組織開発とは何か」を企業内実践者の皆様とご一緒に考えることを目的といたします。

※セミナー終了後に「事業戦略とOD」というラーニングコミュニティをスタートさせます。今回のご参加者は、そちらに優先的に参加することができます。

【登壇者プロフィール】

長谷部 豊 氏

 

1973年生まれ。東日本電信電話株式会社ビジネスイノベーション本部 プロダクトサービス部 プロダクトイノベーショングループ プロダクト戦略担当。入社後、企業向け基幹業務システムを用いた企業向け業務改革コンサルティングとシステムなど大企業へのシステム導入を行い。その後、コンシューマ向けサービス開発、ビジネスユーザ向けサービス開発の開発リーダーなどをリーダーとして手掛ける。
University of Michigan MBA取得(with High Distinction)

大島 岳 

(株)シー・シー・アイ代表取締役会長。1954年生まれ。1986年に株式会社シー・シー・アイを設立。企業や公共団体の経営活動・組織運営・文化戦略のあり方などをテーマとして、独自の研究活動を行いコンサルティング活動を実践。企業の文化と存在意義(Corporate Culture & Identity = CCI)に基づくコンサルテーション・教育・講演・情報サービス、調査など、企業支援を行っている。ODネットワークジャパン理事/事務局長。

平尾 貴治 

(株)シー・シー・アイ代表取締役社長。1960年生まれ。2000年に大手流通企業にて経営破たんを体験し「戦略や意識だけではどうにもならない組織の本質」を感じる。組織開発コンサルテーション活動を開始後は、自身の経営破綻経験を糧に、「健全な危機感を持ち、本音で話し合う組織創り」に取り組んでいる。「戦略」「仕組み」「マインド」を結び付けたチーム作りのための『あきらめないコンサルテーション』を実践している。社会保険労務士。

【セミナー概要】

<日時・会場>

日時:2018726()   15:00-18:30 (開場14:30) 懇親会19:0021:00

会場:大手町ファーストスクエアカンファレンス ルームD

  • 東京都千代田区大手町 1-5-1 ファーストスクエア イーストタワー2F
  • http://www.1ofsc.jp/access/
  • 東京メトロ大手町駅C8,C11,C12出口直結 JR東京駅丸の内北口から徒歩4分

<定員>

  • 45名
  • 本研究会は、組織内部で組織開発や経営に携わっている方を対象としております。対象外の方はお申込みを頂いてもお断りすることがございますのでご了承下さい。

<参加費>

  • セミナー&懇親会 12,000円  
  • セミナーのみ8,000

**キャンセルポリシー**
以下のキャンセル料が発生いたしますので、やむを得ない事情によりキャンセルを希望される場合、必ずご連絡ください。(懇親会の欠席についてもご連絡をお願い致します)
・1ヶ月前(6月26日18:00)までのご連絡:なし (振込手数料を引いた金額をご返金いたします)
・1ヶ月前(6月26日18:00)~4日前(7月23日09:00)までのご連絡:50%(振込手数料を引いた金額をご返金いたします)
・4日前(7月16日09:00)以降のご連絡:全額(ご返金は致しません)

<セミナーの流れ>

  1. 講演「組織開発と戦略の結びつきについて」(株)CCI 平尾

    ともすると手法や人間関係論に限定して見られがちな組織開発について、外部環境や戦略と結びつけた包括システムとしての考え方をご紹介いたします。

  2. 事例紹介「戦略をやり切る組織創りの導入事例」(株)CCI 大島

    新たな戦略に挑戦する瞬間の組織に対するコンサルテーションの生々しい事例について株式会社シー・シー・アイが取り組んだ事例をご紹介します。

  3. 講演「新たな事業創造に向けて」 東日本電信電話(株) 長谷部 豊氏

    大企業の中で数多くの事業創造を実践する中で感じた、戦略を作り、サービスを作り、浸透させていく上での喜びと難しさ、そして組織の中に起こる様々な動き、組織を動かす上で自分自身がリーダーとして持たなければならないマインドセットなどについて事例をもとにお話させて頂きます。

  4. 対談と質疑応答「事業開発戦略と組織開発について」

 

お申込み

正論や犠牲者感の先にあるもの

「私はちゃんとやっているけど、あの部門(人)はやってくれない。なんで私ばっかりやらないといけないんだろう」

「結局うちの人たちは私のことを理解してくれない」

最近、規模も業種も経営状況も異なる組織においてこういった声を耳にすることが多くなっています。それも組織の中で1人2人ではなく、かなりの数の方がそう考えているというケースに出くわすことも少なくありません。

ところが、こういった状況においては下記の2点が比較的共通項として付いてきます。

  • 「相手部門(人)がやっていない」「あんなことを言っている」という話は出回っているが、誰もそれが事実かどうか確認していない
  • だったら自分の出来ることだけやっていようと思考停止してしまう

こういった状況に外部コンサルタントとして関わる場合、「事実は何か」に焦点を絞り全体を整理していきます。実際に全体像が見えてくると「10年以上前に一度起こったことが今も行われていると思っている」ことだったり、「実はその人の状況は理解しているのだが、現状に対して少し高い期待値を持って接している」ことだったりします。

それが見えてくれば、ODにコンサルタントとしては、当事者同士が「安心」「安全」な場でガチ対話をすることが出来る状況を作ることが役割になってきます。論理面よりも感情的な入れ違いが大きいため、大変な場にはなります。でも話し切ることが出来れば、手を握り目的に向かってともに行動していく関係性が作れます。

ところが、そんなお手伝いをしているはずの自分自身が、気づかないうちに同じような思考に陥っていたというケースもあります。私の場合は「これは正しい」とか「こっちの方が正論だろう」と思っているケースでよく起こしてしまいます。

仲間からのフィードバックを受けることで、多くの場合は解決します。でもたまにその余裕すらなく、しばらく尾を引くこともあります。こうなると意固地になってしまいなかなか自分でも苦労してしまいます。

そんな時は、OD仲間に言われた「正論や犠牲者感の先にあるのがODじゃないの」という問いでふと冷静になっている自分に気付きます。「そう感じていること自体は否定しなくていい。じゃあ、どうしたらうまくいくか」これが考えられるようになってくればもう一歩抜け出しはじめています。

2017年も残り3ヶ月ほどになります。この3ヶ月を走るにあたって自分の中にある「正論」や「犠牲者感」の背景にある事実を整理してみてはいかがでしょうか。

 

藤田 誠

セミナー開催報告  東京商工会議所品川支部様主催「経営戦略をやり切る組織作りセミナー」

4月13日(木)、東京商工会議所品川支部 様の主催にて、

「経営戦略をやり切る組織作りセミナー ~組織が本気になるメカニズムを実践的なワークから学ぶ~」

を開催させていただきました。

当日は、弊社コンサルタント平尾貴治が講師を務め、

下記のような流れで進行いたしました。

【セミナーの流れ】

1.不確実性の時代における戦略の考え方
2.戦略成果に結びつく意識と行動(グループワーク)
3.組織行動における「アクセル」と「ブレーキ」を考える
4.グループワークの振り返り
5.質疑応答

 

参加された理由としては

・いかに組織作りをしていくか考えたい
・今後の組織改革をどうするかに興味があった
・組織改善のヒントを見つけたかった
・会社の戦略をさらに良いものにするため
・経営戦略はあってもなかなか実行できない原因として組織作りがあるか否かを確かめるため
などがありました。

今回のセミナーでは、グループワークの体験から気付き、学んで頂く場面を中心にプログラムを組み立てて実施いたしました。

不確実で限定された情報の中で、目的を合意し、外部情報を分析し、決断においてはリスクテイクする、という実際の経営戦略そのままの
グループワークをやっていただく中で、初対面の方同士であったにもかかわらず、真剣にワークに取り組んで頂けたました。その結果3つのグループそれぞれ特徴が異なる動きが起こり、振り返りではその違いから様々な気付きを得ていただくことが出来ました。

 

 

ご参加頂いた方からの感想は下記になります。

・心的プロセスをどう顕在化し改善していくか?具体的にチャレンジしてみたい
・事例内容とワークが紐付いていて分かりやすかった
・現場の実態に合わせた納得の出来るセミナーであった
・内発的動機づけの連鎖する仕組みを作れそうだ
・メンタルな部分にも触れていたので、わかりやすかった

最後になりましたが、

参加者の皆さま、この度は大変ご多用の中、誠にありがとうございました。

また企画から会場設営までサポートしてくださいました東京商工会議所品川支部の皆様にも深く感謝いたします。

 

 

 

藤田 誠

OD World Summitで感じたこと

先月に引き続き、ポートランドで行われたOD World Summitで感じたことをお伝えします。

 

一番印象的だったのは、オープニングセッション。特に、日本でも有名なエドガー・シャイン先生や数年前に、南山大学主催のNTLコースで来日されたブレンダ・ジョーンズさんなど、豪華なメンバー5名によるパネルディスカッションは圧巻でした。これからのODを考える上で、大切なことがここに集約されていたと感じました。

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その中で私が皆さんにお伝えしたいことは下記の2点です。

 

1つ目は、5人のパネラーに対する質問で「Tグループ」についてのテーマがあったことです。2014年にODNJで行った大会でも参加者からシャイン先生に同様の質問がありました。今回、OD World Summitというこの場でもこのテーマが取り上げられ、それぞれがTグループについて感じていることや学んだことを語ってくれました。

Tグループは、どうしてもある程度の日数を必要とします。企業に属していると時間の制約で参加することが難しいという話もよく聞きます。また、ODは世界中で様々なアプローチが考えられ、体系化されています。新しいアプローチはどれも興味深く、あれもこれも取り入れたいと目移りしてしまいがちです。

しかしODを行っていく上で、原点はやはりTグループにあり、多くのアプローチを効果的に使い分けていくためにも、Tグループは欠かせないものだということが再確認できました。

 

 

もう1つはシャイン先生の言葉です。私はシャイン先生をODの領域ではなく、キャリア・アンカーという概念を日本に紹介した方として、最初に知りました。そのキャリア・アンカーについて、

「日本に紹介した時には、ここまで浸透するとは思わなかった。」

「彼らは、私が紹介したことに日本の文化や特徴を取り入れ、日本型のものにアレンジさせた。」

「日本人は取り入れたことをアレンジしていくことに長けている」

とおっしゃっていました。

なるほどと思って聴いていたのですが、後になってふと考えさせられました。OD World Summitのオープニングの場面でこの話をしてくれたことには、どういう意味があるのだろうか。私はこの話を、日本でODに関わる全ての人に対するメッセージとして受け取りました。アレンジの得意な日本人によって文化や特徴を考慮した「日本型OD」を整理し、世界に向けて発信することを期待されているのだと。

私自身はODコンサルタントとして、多くの組織に外部から関わっています。その一方で、シー・シー・アイという自組織に対する内部OD実践者でもあります。また、ODNJの会員として多くの方とODを学ぶ機会を持っています。シャイン先生の言葉から自分たちの行っているODをしっかりと整理し、発信していくことを考えていこうと思いと強くしました。

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藤田

めでたし、めでたし?

『ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。』

 

これは2013年度の新聞広告クリエーティブコンテストにおいて、最優秀賞を受賞した博報堂の山﨑博司氏のコピーである。
先日、ニュースサイトで見つけて印象に残ったので、調べていたら山﨑氏のインタビューを見つけた。
その中で、このコピーを通じて伝えたかったこととしてこう語っている。
「ものごとを様々な側面から考えることの大切さ、私たちの社会生活で”相手の立場に立って考える”ことの大切さだ。自分の価値観で見えている世界と、ほかの人の立場で見えている世界は全く異なる。それをひとつの側面からだけで判断してしまっては、誰かの幸せの裏で誰かが不幸になるかもしれないということに気が付いて欲しかったのだ。」

 

この記事を読んだ時に、多面的な見方をする重要性を改めて考えさせられた。
私たちが企業のお手伝いをするときにも、見方の違いを大切にする。
役職・階層、部門ごと1つの事象に対して様々な見方や意見が存在する。
その違いを対立軸としてではなく、可能性を広げるための材料として捉え、生産的に話をすることが必要になる。
違いを明確にすると、表立っていなかった対立軸が浮き上がるため混乱を招くのでは?という懸念も出てくる。
だから共通項を見て話し合い、いらぬ混乱を避けた方がいいのではないかという声を聞くこともある。
中途半端に違いだけ明確にするとそういった懸念が現実化することもあるだろう。
しかし、じっくり時間をかけ、表面的な違いではなくその背景も含めて意思決定をすることで新しい可能性に向けて一丸となったチームにすることが出来る。

この見方の違いは最初の時点でオープンにしておかないと計画を推進していく途中や、外部環境の変化で風向きが変わったときに必ず浮き上がってくる。
だからこそ、最初の時点でちゃんと話し合いをすることが必要になるのだ。
こういったミーティングをどう設計していくか?その場をどういった場にするかを考えることは大切である。
しかしそれ以上に重要なのはそのミーティングを含めて全体をどう設計していくか?ということだ。
どこから始め、どのくらいの時間軸で、誰をどのように巻き込んでいくか?
この設計と見直し・修正のタイミングを決めておくことがポイントとなる。

 

私自身も、自分の見方や意見に執着しすぎていると感じることがある。
何か違和感を感じた時に、桃太郎という誰にでも馴染みのある話を思い出すことで別の見方を意識していこう。
このコピーを見て、そんなことを考えさせられた。

 

藤田