正論や犠牲者感の先にあるもの
2017.09.20ブログ
「私はちゃんとやっているけど、あの部門(人)はやってくれない。なんで私ばっかりやらないといけないんだろう」
「結局うちの人たちは私のことを理解してくれない」
最近、規模も業種も経営状況も異なる組織においてこういった声を耳にすることが多くなっています。それも組織の中で1人2人ではなく、かなりの数の方がそう考えているというケースに出くわすことも少なくありません。
ところが、こういった状況においては下記の2点が比較的共通項として付いてきます。
- 「相手部門(人)がやっていない」「あんなことを言っている」という話は出回っているが、誰もそれが事実かどうか確認していない
- だったら自分の出来ることだけやっていようと思考停止してしまう
こういった状況に外部コンサルタントとして関わる場合、「事実は何か」に焦点を絞り全体を整理していきます。実際に全体像が見えてくると「10年以上前に一度起こったことが今も行われていると思っている」ことだったり、「実はその人の状況は理解しているのだが、現状に対して少し高い期待値を持って接している」ことだったりします。
それが見えてくれば、ODにコンサルタントとしては、当事者同士が「安心」「安全」な場でガチ対話をすることが出来る状況を作ることが役割になってきます。論理面よりも感情的な入れ違いが大きいため、大変な場にはなります。でも話し切ることが出来れば、手を握り目的に向かってともに行動していく関係性が作れます。
ところが、そんなお手伝いをしているはずの自分自身が、気づかないうちに同じような思考に陥っていたというケースもあります。私の場合は「これは正しい」とか「こっちの方が正論だろう」と思っているケースでよく起こしてしまいます。
仲間からのフィードバックを受けることで、多くの場合は解決します。でもたまにその余裕すらなく、しばらく尾を引くこともあります。こうなると意固地になってしまいなかなか自分でも苦労してしまいます。
そんな時は、OD仲間に言われた「正論や犠牲者感の先にあるのがODじゃないの」という問いでふと冷静になっている自分に気付きます。「そう感じていること自体は否定しなくていい。じゃあ、どうしたらうまくいくか」これが考えられるようになってくればもう一歩抜け出しはじめています。
2017年も残り3ヶ月ほどになります。この3ヶ月を走るにあたって自分の中にある「正論」や「犠牲者感」の背景にある事実を整理してみてはいかがでしょうか。
藤田 誠
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