組織開発と戦略を考えるオンラインセミナーを開催します

CCI内在的価値セミナー第5回「戦略と組織開発」を開催します。

2022年1月からスタートした内在的価値セミナーもいよいよ今回が最終回となります。組織開発と「キャリア」「心理的安全性」「組織診断」「人事制度」と開催してきましたが、最終回は「戦略」をテーマとしています。

多くの日本企業では事業構造の成熟化が課題となる中、事業の構造改革を見据えた戦略構築が求められています。
そのためには従来の延長では無く、今迄のメンタルモデルを見直し、我社は何を成し遂げたいのか、何を選択し何に集中するのを明確化共有化することが必要です。
価値創造のためには、戦略を作る人、実行する人が「自らが実現したいWill(内在的価値)」に結びつけて戦略を作ると同時に、戦略をやり切る組織を実現しなければいけません。
そのためには戦略ロジックだけでなく、「今ここに」ある自分(達)自身の在り方まで問うことが大事です。
つまり、内外の環境分析も客体視していくと同時に、どのような意志を持って理解するかが大切になっているのです。

本セミナーでは、今の時代だからこそ求められている中期戦略の構築と戦略をやり切る組織の実現を目指して、実例を交えながら、考えていただく場にしたいと思います。

お申し込みはこちら

<セミナーのポイント>
・内在的価値による戦略立案のポイント
・中期経営計画の策定と実行方法
・戦略とは
・戦略全体像
・戦略を実行していく上でのポイント
・事例に学ぶ中期戦略の策定と実践

※本セミナーは参加者同士で対話をしていただく時間があります。そのため、ご参加される方は画面を常時ONにして対話の出来る環境が必須になります。

日時:令和5年4月18日(火)10:00~12:00(Zoom開催)

登壇者:
奥瀬 理紗子   Candidate for Master in HR Management at Cornell Graduate school (Industrial and Labor Relations School, class of 2023)
大学卒業後、3社3か国(日本、アメリカ、タイ)にて勤務。主に経営企画・人事・組織関連の実務経験を有する。
新卒で住友商事㈱に入社し、メディア・ライフスタイル事業部門にて、6年間TVショッピング事業のミドル・バックオフィス業務を担当。タイに2年間赴任し、子会社のマネジメントサポートに従事。その後、米国のItochu International Inc.と日系大手法律事務所にて商流マネジメント及びコーポレート業務プロセス改善に携わる。
将来は、経営戦略に基づいた組織・人事戦略の策定や、組織の風土を改善していくサポートをしたいと考え、大学院で人事・組織に関する理論のベースと実践的なスキルを習得中。二児(5歳、0歳)の母。

 

大島 岳
株式会社シー・シー・アイ 代表取締役会長
OD Network JAPAN代表理事
「経営に直結する組織開発」を目指して、1986年に株式会社シー・シー・アイを設立。社会におけるOD(組織開発)の普及・促進を目的とし、NPO法人OD Network Japanを設立。2022年6月代表理事に就任。2022年に国内では数人しか取得していないアメリカNTL(National Training Laboratory)の組織開発Certificate取得。

お申し込みはこちら

 

 

「パーパスエンゲージメント」を高めるセミナー~半年間で人材活性化と戦略実行のスピードアップを実現~

個人のエンゲージメントを高めながらビジョンの揃った強い組織を実現!

多くの企業より離職者とメンタルダウンが経営課題になっており、個人のエンゲージメント向上が不可欠な状況です。
一方で、個人に焦点を当てつつも、組織開発の本来の強みである、「組織の中の間主観(主観と主観の違いを話し合い統合していくプロセス)」を同時に行なわなければ、組織にパラダイムシフトは起こらず、結局は優秀な部下ほど組織に見切りをつけることも事実です。
つまり、個人のエンゲージメントと間主観の強化はあくまでも両輪で考える必要があるのです。
そこで、我々はキャリアコンサルタントと組織開発コンサルタントによるワンストップの実現を考えました。
もちろんCCIのキャリアコンサルタントは「個人さえ良くなればいい」という考えではなく、あくまでも個人と組織との両輪で、ヒアリングと個人の行動変容のためのコーチングを行ないます。
同時に、そこで吸い上げた部下(若手)の問題意識をマネージャー層に強く反映させていくスパイラルが狙いです。
本気で「個人のエンゲージメントを高めながらビジョンの揃った強い組織を実現しよう」とお考えの経営者・幹部・人事ご担当者の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※「CCIのキャリアコンサルタント」は、国家資格を有し、且つCCI独自の企業向けのプログラムで50時間の研修を受けた上で、実践を見据えた厳しい試験と面接試験をパスした者だけで構成されています

⇒お申込みはこちら

<セミナーのポイント>

・「個人のエンゲージメント向上」と「組織内の見方の違いの統合」を同時に行なうことで、戦略のスピードアップ実現に繋がる。
・離職者・メンタルダウン者が減らない理由。
・マーケティングとイノベーションの強化のためには人的資本の強化が必要。
・マネージャー達に部下たちの生々しい声が本当に伝わっているのか
・ビジョンを軸として問題を掘り下げることでパラダイムシフトが実現できる。
・従業員を「傍観者」から「当事者」に変えるにはどうするか。

登壇者

仲村 賢
(株)シー・シー・アイキャリアコンサルティングチームリーダー
キャリアコンサルティング技能士1級
公認心理師

平尾 貴治
株式会社シー・シー・アイ代表取締役社長
組織開発コンサルタント/ODNJ(ODネットワークジャパン)会員
ドラッカー学会会員/社会保険労務士(社労士ダイバーシティー研究会)

Mee-Yan Cheung-Judge 博士のご逝去を謹んでお知らせいたします。

今年に入って日本でも読書会が行われている「ORGANIZATION DEVELOPMENT: A PRACTITIONER’S GUIDE FOR OD AND HR」の著者で組織開発実践者のMee-Yan Cheung Judge博士が新型コロナウイルス感染に伴う合併症で2022年8月22日にご逝去されたそうです。

最近の海外における組織開発の話では必ず名前をお聞きする方で、日本で講演などを期待していただけに大変残念です。

生前のご功績に敬意を表するとともに、シー・シー・アイメンバー一同、心からご冥福をお祈り申し上げます。

APPRECIATIONS OF MEE-YAN CHEUNG-JUDGE

アメリカOD Networkによる訃報

組織開発と組織診断を考えるオンラインセミナーを開催します

今年からスタートした「内在的価値を軸とした組織作りセミナー」の第3弾「組織サーベイ疲れから脱却する『実施だけで終わらせない診断活用の3つのポイント』」を開催いたします。

変化が激変する社会に於いて、「組織診断」は組織変革を遂行していくときの重要なツールです。
そこで今回は、海外との組織開発コミュニティと交流も深くグローバルな視点をお持ちの甲南大学教授の西川耕平様に御登壇頂き、グローバルな視点から最新の組織診断情報や診断の本質である「クライアント自身が自己変革力を作る」コツについて共有いただきます。

日時:2022年9月6日   16:00~17:30
場所:オンライン(Zoom)
費用:無料

セミナーの中では、診断を効果的に行っていくうえで重要な、下記の3つのポイントについて解説いたします。
1. 組織診断だけではなくフィードバックまで含めたデザインで考える
2. 社員の自分が本当に何がしたいのか分かる診断フェーズをデザインする
3. 変革は「今ここで」の気づきで生まれること
セミナーでは参加者同士で意見を交わすセッションも計画しておりますので、他の参加者のご意見も聞ける貴重な機会となります。

【こんな方におすすめのセミナーです】
・企業経営者、役員、事業・部門責任者
・大手企業の経営企画や人事で企画などを行っている
・組織診断を行っているが、成果に結びつけられず困っている
・診断結果をマネジメントとどう結びつけるのか悩んでいる

※企業研修を行っている会社の方・コンサルタント会社の方・個人事業主や自営業の方のご参加はお断りさせていただくことがございます。

お申し込みはこちら

西川耕平氏
甲南大学 教授
IODA(International OD Association)理事

人・組織において変化が起こる瞬間の要因やメカニズムをテーマに、「人が自発的に発達・成長する能力を育む組織的な取り組みという組織開発(OD)の視点から、ビジネス組織を社会変革のエージェントとして、持続可能な社会の繁栄に向けて、大胆に、しかし謙虚に取り組み続ける、人・組織・コミュニティ」に着目し、主に海外文献や実践データを基に、実現のための本質的な促進要因、阻害要因を研究。

大島岳
株式会社シー・シー・アイ 代表取締役会長
OD Network JAPAN代表理事

「経営に直結する組織開発」を目指して、1986年に株式会社シー・シー・アイを設立。社会におけるOD(組織開発)の普及・促進を目的とし、NPO法人OD Network Japanを設立。2022年6月代表理事に就任。2022年に国内では数人しか取得していないアメリカNTL(National Training Laboratory)の組織開発Certificate取得見込み

【セミナー参加にあたっての注意事項】
・良質なコミュニケーションを図るためにもカメラはオンにしてお顔出しの上、参加してください
・セミナー内では、参加者同士での対話の時間がございますので、意見の交換が出来る環境で受講願います
・セミナー資料は終了後にアンケートにお答えいただいた方に別途お送りします。
・本セミナーの録音録画は禁止させていただきます。

ODNJ(OD Network Japan)と私たち

 

先日、NPO法人OD Network Japanの第8回総会にて、弊社代表取締役会長の大島が、NPO法人OD Network Japanの代表理事に就任することが発表されました。
そこで改めて、2010年に任意団体OD Network Japanを設立した発起人の1人として、改めてOD Network Japanの設立経緯を振り返ってみたいと思います。

始まりは2004年頃に現在のOD Network Japan監事である山口毅さんから甲南大学の西川耕平先生を紹介してもらったことでした。
当時西川先生は「企業の衰退」などを研究されていました。何度か弊社に来社いただき、色々と話をさせていただいく中で、2006年より定期的な勉強会として活動していこうという話となり、後にOD Network Japanとなる勉強会が立ち上がったのです。

勉強会は弊社会議室にて2006年1月9日より毎月1回土曜日の13時から18時まで西川先生と弊社コンサルタントで行われました。
毎回5-10名ほどの小規模で開催することで、オープンな場ではなかなか話の出来ないテーマなども扱うことが出来ました。勉強会では弊社から実際のコンサルテーションの話やプロジェクトの状況をお伝えし、それを西川先生が学術的・理論的に整理して新たな視点を投げかけてくれるものでした。あるいは西川先生からは新しい論文の紹介や海外理論、海外学会での潮流などが共有され、それをプロジェクトに活かしていくという正に実践的で刺激的な勉強会でした。

ある日、西川先生より「海外の学会で、日本にはOD実践者たちが集うコミュニティがないとの話があったので、作った方がいいのではないかと言われた」という話がありました。そこで「日本のコミュニティを作ろう」となり、任意団体OD Network Japanの設立に向けて動き始めたのです。

そして2010年2月7日(日)港区クロスコープ青山オフィスにて設立総会が開催され、わずか13名の出席者でしたが、ついに任意団体OD Network Japanが設立し活動し始めました。

2010年2月7日設立総会の参加者

団体のスタンスとして「教える人と教わる人」の関係性ではなく、「組織内実践者・コンサルタント・研究者が三位一体となって学びあえるコミュニティ」であることを掲げました。このスタンスは現在のNPO法人となったOD Network Japanにも継続されており、昨年、中村前代表理事より発信された「グリーン化」宣言にもつながっているのです。

任意団体のOD Network Japanは初年度は母体となった弊社内勉強会と同様に月1回の研究会を企画し、CCIメンバーが中心に運営を行っていました。

しかし会員も増える中で、我々もコンサルタントとしてプロジェクトを抱えており、同じように運営することが難しくなってきたのです。そこでOD Network Japan主催の組織開発基礎講座を受講した方や南山大学の組織開発ラボラトリーに参加した方などへ声をかけた結果、多くの方が運営に関わってくださるようになっていきました。そこでこの団体が、公の機関として多くの方に知ってもらい入会してもらうためにも、CCI内で次の3点を意識しようと決めました。「①ODNJは公の組織であるのでCCIの下部組織に見えるようにしてはいけない」「②コンサルタントや研修講師が「営業をする場」にしない」「③営業目的の方が入会することもあるだろうが、そういった場ではないという規範を我々が率先して作ろう」

嬉しいことに今やNPO法人のOD Network Japan(ODNJ)も現在会員数が300名をこえ、大きな組織へと発展してきました。
改めて「組織内実践者・コンサルタント・研究者が三位一体となって学びあえるコミュニティ」として何ができるのかということを考えながら、運営に参画していきたいとの思いを新たにしております。

確信をデザインする~新年度を迎える企業人へのメッセージ~(3/3)

新型コロナウイルスの影響で、皆さま大変な時期だとお察しいたします。
こういう時こそ、次のステージに向かうべく攻めていただきたい、そんな思いを込めて、今回の対談をお送りいたします。

※2/3より続く

新年度に実現したいこと

藤田:リモートワークや働き方改革、パラレルキャリアなど、多様性が進む中で、それぞれが自分の価値観を持って、自分でちゃんと意思決定して仕事と関わっていくことがより求められてくる。それを組織の中でちゃんと発信し、同時に、相手の立場、相手の意見も受信できる場を作っていくということを実践していきたいです。

平尾:自分が新年度に向けて実現したいことは三つあります。一つ目は、昨年のラグビー日本チームのような「Diversity & Inclusion」を体現した組織を実現すること。昔の軍隊的な一体感ではなく、国籍も人種も宗教も多様な人間が集まっている。仲良しクラブではなく切磋琢磨し、成果を出せなければ後方に回される。だけどチームとしての「勝つ」という目標観のための行動は完全に一つになっていました。

二つ目は、組織開発に対する誤解を解くことです。単なる仕組み変えや診断で、変革者が返り血も浴びないようなものに組織開発というネーミングが付いている。あるいは、和気あいあいと楽しく対話したら組織開発、みたいな誤解は変えていきたいですね。

三つ目は、以上のことを実現しようとしたときに、改めてチェックイン・チェックアウト*2のように、メンバーが生身で一重の輪で向かい合う、あの空気感を大切にしたい。激変する時代の戦略をやり切るためにこそ、本当に人と人が丸裸で向き合うという組織開発の本質が重要になってきていると思っています。

*2:チェックイン・チェックアウトとは・・・組織開発のミーティングの開始時あるいは解散時において、椅子だけで一重の輪になって、一人一人が今思っていることを素直に伝えあうこと。

大島:戦略というと、左脳だけのロジカルなもので組み立てると考えがちです。全然違う考え方同士の人がぶつかった中にいろんな気付きや新しい概念が生まれる。「こんな事業面白いんじゃないか」と、感情と戦略が一体になっているような戦略を作ることが大事だと思うんです。

逆に言えば、そうやってロジカルも感情もぶつけながら、本当に必要とされていない事業だったら捨てるという判断も必要ですね。

平尾:昨年の仕事で、本気の話し合いをした結果として、事業部が無くなったり、担当が変わったり、メンバーのうちの一人が、その後退職されることもありました。人によっては「社員が辞めてしまうような話し合いは組織開発じゃない、人を大事にしていない」と思われるかもしれません。

でも私は、究極まで人と組織を大切にした話し合いをしたら、本人が主体性を持って、「自分はこの組織よりもほかで力を発揮すべき人間だ」と去る選択までもできる。これも結局は人を大事にしているともいえると、私は思っています。

「確信をデザインする」ためにわれわれはどうあるか

大島:私たちは、「確信をデザインする」というテーマを昨年末に決めました。みんな今までの意味や解釈の仕方を全部一から書き直し、新しい意味と解釈をしたときに、「あ、これだったら僕らのやりたいことだし、なおかつそれが社会にとっても本当に貢献できる」ということを確信できる。その手伝いをしていくのが、われわれの根底です。

確信をデザインするときに何が必要かなと思ったら、「本当は何をしたいのか」を自らに問い続け、うそをつかないように今年一年生きていく。これが僕の「use of self」です。

藤田:確信をデザインするガチ対話の中に、われわれも関わっていこうと思ったら、「われわれ自身が、実際にどういう確信をCCIの中で実践しているか」「一人一人はどういう姿で生きているのか」が問われてくるでしょう。

われわれ自身が、健全なけんかができるコンサルタントチームでありたいと思います。

それが一番クライアントに対して価値を出せる原点にもなってくると考え、うちの良い文化としてより継続していきたいです。

平尾:わが社では、内部者だけで毎年夏と冬にがっつり話し合いの時間を取っています。

お互いに食い違いが出ている部分をとことん話し合っています。

自分たち自身が、やはり時間をとって話し切らないと、どうにもならないものはたくさんあるなと経験していますので、それをクライアントさまでも実践したいですね。

確信をデザインする~新年度を迎える企業人へのメッセージ~(2/3)

新型コロナウイルスの影響で、皆さま大変な時期だとお察しいたします。
こういう時こそ、次のステージに向かうべく攻めていただきたい、そんな思いを込めて、今回の対談をお送りいたします。

変化の時代にふさわしい組織開発(OD)とは何か

※1/3より続く

大島:昨年、赤字転落を再建する社長からのご相談がありました。当時は、変化への抵抗感を持った幹部がボロボロ離脱してしまうという状態でした。その中で、とことん主観をぶつけ合う合宿ミーティングを行い、結果的にはその目標観が共有されたとたんに、さまざまな問題が解決され、順調に動き始めました。

 

やる前は、「話し合っている暇なんかない」という意見もありましたが、改めて、戦略実行のスピードアップをするためには、本音で目標観を一致させるだとか、対立する人の本音を聴くだとか、今ここで起こっていることのテーブルの下のプロセスを考えるとかの、まさにODの一番大事にしていることが、ますます重要になっていると確信しました。

藤田:ゴールや目標観はそろった方がいいだろうと思いながらも、「話し合ったってゴールがそろうのか」という疑念を持っている場面に遭遇します。心理的安全性の場が日常の中で足りていないのでしょう。

単に仲が良いかどうかではなく、切った張ったの世界で本当の話し合いができるかどうか。そこには葛藤も生まれるかもしれないし、何か嫌なことを言われちゃうかもしれないけど、でもこの仲間とだったら話せるという場をいかに作っていくか。外部からサポートする僕らの一つの大きな役割なのだと思っています。

平尾:目標観やゴールの背景の共有がポイントだと見ています。例えば、具体的な目標数値は特に幹部クラスであれば、皆さんそろっているじゃないですか。だけど、その背景となる人間臭い部分が共有できていないことが多いですね。

昨年体験した話し合いで、ある幹部が過去における自分の間違ったマネジメント行動を、本当に素直な表現で詫びたことで、「あ、今回は本気で立て直そうとしているんだ」と全員に伝わった瞬間がありました。

大島:外部環境変化といったインプットはもちろんのこと、「歴史という、今見えていないもの」が今のプロセスに影響を与えている点に光を当てる。これも、私たちの大事な仕事なのではないでしょうか。

今お付き合いしている会社で、戦略的に脚光を浴びているのは新規事業ですが、その企業で創業時からずっと中核だったのは別の既存事業でした。一方で、その会社は、外のステークホルダーからの幹部が3~7年で入れ変わっていくので、過去どんなことが起こっていたのか知らないという状況がありました。

そのため、「今まで支えてきたのはここなんだ」という歴史を理解されないまま、変革を求められる既存事業のメンバーは、ものすごくアンチな動きをしていたわけです。

藤田:そうした不満をサーベイで数値化して、結果だけで判断しようとする。だから組織の中で余計な軋轢が生まれている企業も多いのではないでしょうか。背景をちゃんと押さえることができないと、サーベイ自体も生きません。その結果で何か施策を導入するだけでは、逆効果になります。

平尾:リスクマネジメントの概念もあり、できるだけ仕事を分けて個業化しているために、他部署や他担当の歴史のことは分からない。そこからスタートしていますね。

「ガチ対話」を行うための心理的安全性とは、われわれのミーティングにおけるグランドルール①自分の主観を言い切る②相手の主観を聴き切る③リスクテイクする、という三つに凝縮されるでしょう。

 

リスクテイクに関しては、例えば、その会社では触れてはいけない意見を、勇気を持って発言するのも重要ですが、実は、それ以上に大切なのが 「今この場に対してのリスクテイク」です。具体的に説明すると、「あなた今、本当に言いたいことを言えてないのではないですか?」とか、「僕はあなたに伝えているのに全然受け取っているように見えない」などの、目の前の人に対して言い切るリスクテイクです。こちらの方が難易度は高いですが、そこまで話さないと、発言の本当の背景だったり歴史観だったりまでは明確にならないと思っています。

大島:「今までの自分たちがとらわれてきた常識」を全部、一から書き直さなければいけない。だから最近、組織開発の中で大きなテーマになってきているのが構成主義です。自分たちが話していることがリアルになっていく。われわれの強みや弱み、外部環境さえももう一度解釈し直さないといけない時代に入っている。われわれが今まで大事にしていた「間主観*1」に時代が追い付いてきたのではないでしょうか。

*1:間主観とは・・・「あっているか間違っているか」ではなく、各人の「主観として見えている事実」を互いにぶつけ合い聴き合い、葛藤を超えて合意に向かっていくことこそが本当の客観性を生み出す、という考え。

⇒3/3に続く

確信をデザインする~新年度を迎える企業人へのメッセージ~(1/3)

新型コロナウイルスの影響で、皆さま大変な時期だとお察しいたします。
こういう時こそ、次のステージに向かうべく攻めていただきたい、そんな思いを込めて、今回の対談をお送りいたします。

2019年度を振り返る

 

 

平尾:企業も個人も、いよいよ右肩上がり時代の幻想が通用しなくなったことを感じています。われわれがお手伝いしている会社も、大きく事業戦略を変え、組織構造自体も大きく変え始めました。「みんなで一緒に手をつないで」という人事制度が成立しなくなりました。だからこそ、個人においては、一人一人のwill(意志)と周囲の巻き込み力がより求められ始めたことを感じます。

手をつないで」という人事制度が成立しなくなりました。だからこそ、個人においては、一人一人のwill(意志)と周囲の巻き込み力がより求められ始めたことを感じます。

藤田:漠然と既存の延長に限界を感じていたのが、業績低下や仕組みの不具合など、形になって現れ始めたのが昨年からの動きですね。一方で、変化への対応は二極化していると見ています。ダイバーシティーやSDGsについても、率先して取り組んでいる組織や団体があるが、「まだうちには早い」と割り切ってしまう組織もあります。「正解らしきものを求めるHow to指向」が強くなっている傾向も感じます。

大島:夏以降、われわれのクライアントになってくださるのは、本当に困っていらっしゃる経営者ばかりです。具体的には、赤字が続いた経営体制を黒字にするために乗り込んだ社長や、大企業グループの子会社として、今までは親会社から来る仕事をオペレーションしていれば、基本的に回っていたのが、自立して食っていく事業体制を作っていこうとする経営幹部などですね。

一方で、「変革したい」集団と、「変革に抵抗したい」集団と、分派ができています。あるいは社長であっても、自分の中に「変えなくてはいけない」という気持ちと、もう一つは「できればこのまま変えなくて、なんとかならないか」という気持ちと両面ある中で相談にいらっしゃるというパターンも増えてきています。

⇒2/3に続く