セミナー開催報告  東京商工会議所港支部様主催「優秀な社員を辞めさせないマネジメントセミナー」

去る4月28日(火)、東京商工会議所港支部 様の主催にて、

「優秀な社員を辞めさせないマネジメントセミナー~~モチベーションの本当正体を知ることが企業存続分かれ道です!~」

を開催させていただきました。

当日は、弊社コンサルタント平尾貴治が講師を務め、

下記のような目標観と流れで進行いたしました。

【目標観】

優秀な人材を辞めさせないマネジメントを実践していくため、若い世代のモチベーションの源泉を知る

【セミナーの流れ】

1.若手社員との意識ギャップを生み出すメカニズムを理解する
2.上司である自分自身のあり方が明確になることで、若手も夢が見えるようになる
3.若手のモチベーションを上げる対話の仕方を学ぶ
4.質疑応答

 

当日は連休直前にも関わらず、50名を越える方にご参加頂きました。

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参加された理由としては

  • これから社員の世代交代のタイミングなので若手を積極的に採用したい
  • 経験者採用が多く、若手の離職に対する不安があった
  • 最近、退職する社員が増えている
  • 高い離職率に対する解決のヒントが欲しかった
  • せっかく入社してくれた若い世代の社員になるべく定着して欲しい

などがありました。

セミナーでは、講師からの情報提供だけでなく

ワークを行うことで体験から気付き、学んで頂く場面も数多くありました。

また初対面の方同士であったにもかかわらず、

バズセッションによる対話は途切れることなく続き、参加者の皆様の問題意識の高さを感じました。

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ご参加頂いた方からの感想は下記になります。

  • 実践が多く、楽しく学べる場であった
  • 実体験をもとに語ってもらえたので、現実味が高かった。
  • 会社としての方向性の一本化が重要であった。
  • 経営者・管理職・人事が変わることが大事だと思った
  • 自分の考えをしっかり部下や上司に伝える必要性を強く感じました。そういった場を作っていきます
  • 今まで漠然と考えていたことが、明確な理解になった。

 

最後になりましたが、

参加者の皆さま、この度は大変ご多用の中、誠にありがとうございました。

また企画から会場設営までサポートしてくださいました東京商工会議所港支部の山下様にも深く感謝いたします。

 

6月9日(火)には、弊社主催で「組織開発(OD)との向き合い方」をテーマにセミナーを予定しております。

組織開発の基礎からお話をし、ワークも取り入れ体験的に学んでいただく場にしたいと思います。

組織開発(OD)について知りたいという方はもちろん、もう一度学び直してみたい方、組織の中で共に組織開発に取組むお仲間を増やしていきたい方など、皆さまからのお申し込みを心よりお待ちしております。

 

藤田 誠

公開セミナー「戦略をやりきる組織と個人を創る」

「企業と人材」記載記念新春特別セミナー
戦略をやりきる組織と個人を創る
~2015年度事業計画実現のための教育体系の位置づけ~

様々な企業をお手伝いしていると、戦略実行と人材(組織)開発が「別物」になっている場面によく出くわします。

今、お考えの新年度の教育体系は、長い目で見た時に、事業戦略実現のための「戦力たる人材」が育つものとなっているでしょうか?

当日は、「企業と人材12月号」の紙上だけでは伝えきれなかった自身の体験や、実際のコンサルでの生々しい事例を基に、「人と組織が育つメカニズム」を実践的に考えていただきます。

新年の節目に、本気で「戦略をやりきる組織を作りたい!」とお考えの皆様にとっては、必見の3時間です。

 

講師:平尾貴治 (株)シー・シー・アイ組織開発コンサルタント

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<略歴>

サラリーマン時代の自らの企業破綻経験から「企業継続の大切さ」と「内部者だけでは崩し切れない組織文化の怖さ」を痛感。現在は組織内の生産性と健全性の融合を目指す組織開発コンサル会社シー・シー・アイの一員として活躍中。マインド・仕組み・戦略と包括的に企業に入り込み、「変化に対応する文化の定着」までを一貫して行っている。「企業と人材」2014年12月号の「教育コンサルタントの自画像」に紹介される。

 

開催概要

日時: 2015年1月26日(月) 17:30~20:30 (開場17:15)

参加費:5,000円

定員:18名(少数による密度の濃いセミナーですので定員になり次第締め切ります。当セミナーは企業内で経営計画、教育計画を策定する方を対象としております。研修講師、コンサルタントなど同業者の方はお断りさせて頂くこともございますのでご了承ください。)

会場:コンベンションルームAP品川

   品川駅より徒歩3分
   http://www.ap-shinagawa.com/

参加お申込み

本セミナーは終了致しました。

視界不良での生活の中で

私事ではあるが、7月上旬に眼の調子を悪くした。
幸い現在は、無事に快方に向かっているのだが、長期間に渡り、右側の視界不良での生活を余儀なくされた。
この間、当たり前であったことが出来ないことで、色々と考えさせられることがあった。

一時的ではあったが、視野の問題のために、一人で歩くことが出来ない時期があった。
それでも必要に迫られ、外出したのだが、とにかく人や自転車に追い越されることが恐怖なのだ。
急に人や自転車が現れ(そう感じた)て何度かぶつかったり倒れそうになることがあった。

しかし、後ろから来る方がベルを鳴らしてくれたり、「すいません。」と声をかけてくれる事で、こちらもよけることが出来る。
「見えている、気付いているだろう」という他の方が当たり前に出来ることが、私には全く出来ていないのだ。
「人に対する発信って重要なんだなぁ」と感じながら、自分の人との接し方を考えていたのだが、
組織の中でも、同じことってあるなと思った。

研修を行う際に、受講者へのメッセージを上席の方から、事前に頂き配布することがある。
その内容を読んでいると
日頃から非常によく受講者を 見ている、コミュニケーションをとっているという方から
普段は忙しく、「なかなか話が出来ていなさそうだな」と感じる方まで色々なケースがある。

興味深いのは、職場でストロークを受けている受講者は、研修中も周囲に対する配慮や影響力が、大きい事が多い。
昨年秋の管理職研修の中で、非常に良い影響力を発揮していた受講者と話をしていたら
「まだ昇格して間もないですけど、部長から常に『それは管理職としてどうなんだ?』と言われて考えさせられています。」
という話をしてくれた。日常において、かなりしっかりとマネジメントされており、
かつ本人の行動や会議での発言に対して、しっかりとフィードバックされているのだ。
この積み重ねが、本人の影響力や自覚に繋がっているのだろう。

我々は、ついつい忙しいことが続くと、自分のことで手一杯になってしまうことが多い。
ただ忙しいからこそ、顔を合わせる時間が無いからこそ、周囲を意識して欲しい。
それは職場だけではなく、街場などでも同じことでだ。
それで救われることもあれば、相手の成長に繋がることもある。

一時的ではあるが限られた視界の中で、改めて意識するともに、
しっかり周囲に発信していこうと心に決めた。

 

藤田 誠

レバ刺し禁止に思うこと

今月より食品衛生法に基づき牛の肝臓の生食(いわゆる「レバ刺し」)が禁止されました。

今回の厚生労働省の通達に対しては色々な意見があるようです。ことの是非については食や法律の専門家ではないのでよくわからないのですが

「すでにある文化・習慣をを法や仕組みで規制する」ことに対して思ったことがあります。

ここ10年ほどを見ても文化や習慣に対して行政によるアプローチがいくつかありました。

その1つが「路上喫煙禁止」です。

それまで街中で見かけていた路上喫煙や吸い殻のゴミなどは現在では都市部においてはほとんど見かけなくなりました。

もう1つが「車の後部座席でもシートベルトの着用の義務化」です。

こちらは私の乗ったタクシーの運転手さんの話ではあまり変化はなく、多くの方は後部座席ではシートベルトを着用するに至っていないようです。

路上喫煙とシートベルトの違いは何だったのでしょうか?

これは私の周囲の方の反応ですが、「路上喫煙はやめてほしい」「無くしたい」という意見が多かったのに対して

シートベルトは「面倒だね」という意見が多かったのです。

つまり社会として路上喫煙禁止の方が同意し、納得していたということです。

社会を組織に置き換えると私たちがお手伝いさせて頂く状況によく似ています。

中期経営計画・戦略・制度を新たに策定したけど、従来からの変化を起こせずにご相談を頂くことはよくあります。

多くの場合で起こっているのは経営計画や戦略などの内容ではなく、社員の方々が納得感を持てていないことが問題になります。

「どれだけ新たな仕組み・方針に対する納得感をつくりだすか」は習慣や規範を変えていく上で不可欠であると共に難しい問題です。

今回のレバ刺しがどういった結果になるかはわかりません。

しかし愛煙家であり、レバ刺し愛好家である私にとって改めて社会にとってODの必要性を考える良い機会になりました。

 

藤田 誠

アージリスからの学び(4)「生きものとしての組織」

先月から弊社では「ODの古典をしっかりと学ぼう」という話か大友立也氏の「アージリス研究2:組織政策論」の読書会をはじめました。

序章~第1章を読み、私が一番印象に残ったのは出だしにあった「生きものとしての組織」という部分である。この言葉そのものとしては特に目新しいものではないだろう。ただ自分自身がODに関わり始めた時に言われた「CCIの仕事って組織の漢方薬みたい」という言葉を思い出させてくれた。その時は「なるほど、うまいこと言うなぁ」と思っていただけだったのだが、感覚的に語ってくれたことがアージリスの話に繋がっていったんだということが驚きでかつ新鮮であった。

さらにアージリスが「生きもの」の特質と捉えたのは、順応(adapt)と適応(adjust)加えて「目標を持ちそれを達成すること」を上げている。この3つもって「生きもの」の核活動と定義している。(p.11)という部分も印象に残った。「目的を持ち(共有し)達成すること」は多くの組織で起こっているテーマの1つである。それが1971年に書かれた本の冒頭に明確に示してあることに驚いた。

まだまだ、読み始めたばかりではあるが、改めて古典・歴史から学び活かせることが多いことを再確認出来た。恥ずかしながら今までODに関する古典をしっかりと読み解いていったことはなかったのだがこれを機会に色々と読んでいきたいと思う。

藤田

 

過去から得られること

GWも明けてすっかり暖かくなってきました。今年は連休明けからクールビスをスタートさせている企業も増えているようで、出勤時にノータイ・ノージャケの方もちらほら見かけるようになりました。4月から新年度・新学期をむかえた組織もそろそろ落ち着き、色々と考える時間なども取れ始めているのではないでしょうか?

弊社では先月からODの歴史を学び直そうと、大友立也氏の「アージリス研究2:組織政策論」の読書会を始めました。それぞれが印象的だった部分にも違いがあり、多くの気付きがありました。連休中に色々と整理をしている中で、過去から学ぶという話が最近続いているなと感じています。

1つは数年前にヒットした「失敗の本質」という本の話です。最近、その入門という形で現代の組織・企業にあてはめた本が出たことで話題 になっています。ちょうど新たなビジョンの浸透と中期計画の策定・実践に向けてご相談頂いていたのですが、その時に過去の成功体験・失敗の検証が共有されていない という ことからこの本の話題になりました。

もう1つは「江戸しぐさ」という言葉です。ご存じの方も多いかもしれません。(私は初めて聞いた言葉でしたが。。。)Wikipediaによると『日本における江戸町方の商人道、生活哲学・道。』と書かれています。現代社会にこの教え・知恵を活かしていこうと教育界でも語られることが多くなっており、NPO法人も活動しているようです。紹介してくれたのは仲間の研修講師なのですが、江戸しぐさとグローバル化についていくつかの講演を行ったという話でした。現代では気軽に全国各地を渡り歩くことは出来ますが、江戸時代においては故郷を出て旅をすることは非常に困難でした。そういった中で、全国から様々な価値観を持った人たちが、集まる江戸という都市における規範・哲学は確かに現代社会にも活かせるにではないかと思います。じっくりと紐解いていくとグローバル化と言われる中で日本人ならではの異文化とのクロスカルチャーに役立てることも出来そうです。

組織開発という観点から経営のお手伝いをしていると、日々色々と新しい理論や手法にめぐり合います。「正解のない」社会において、新たなアプローチは非常に魅力的に映ることも少なくありません。実際に非常に効果的であり、知っておかなくてはいけないことも多いです。しかし、あまりに多くの情報を仕入れて取捨選択に迷った時には、あえて新しいものではなくあえて昔のことに眼を向けることで思わぬ気付きが生まれることもあるのではいないか。。。。。忙しなく過ぎていく中で、連休の前後でふとそんなことを感じました。

藤田

 

 

 

 

 

逆の立場に立ってみて

「さっきまた怒ってたよね」
「それってオーナーシップがないってことだろ」
「それってこないだクライアントにフィードバックしたことと同じことやっているよね」
これは最近で仲間から頂いた耳の痛いフィードバックの一部である。
痛いが故に「キッツいなぁ」と「ムカっとした」という2つの感情がふと沸き起こる。
こちらのことを考えてのフィードバックだと感じるだけに余計に厳しい。
(ここでその感情がダダ漏れになってしまうのをなんとかしたいと思うのだがそれはちょっと別の話。)
ただ自分で全くそういったことが見えていないのかというとそうでもない。
3つ目の指摘の通りで自分以外のことはよく見えるのだ。
そう思った時に自分が指摘した時に相手の気持ちってどうだったんだろうか?と考えてしまった。

我々がクライアントと関わる時は「その組織をより良くしたい」「そこで困っている人に何らかのきっかけを作って解決してほしい」
と常に思っている。
もちろん、その時は「相手がどう感じるんだろうか」「この言い方で伝わるか」を悩んで話をしている。
しかしその話が正論と感じられたり、こちらのテンションが上がり切っていると威圧感と写ることもあるだろう。
それを回避するための技術やスキルは世の中に数多くある。それが実践出来れば問題ないのかもしれない。

そこで自分が「キッツイなぁ」と思いながらもその話をすっと受け入れるってどんな時だろうかと考えてみる。
意外と言葉にするのが難しい。ただ1つだけ確かなことがある。
間違いなく自分の状況を受け止めてくれた上で話をしてくれていることが伝わるのだ。
同じことを言われても理屈や論理のみでないことがわかるのだ。
「自分に向き合ってくれている」「正対して話をしてくれている」と感じた時はその後多少の議論はあっても嫌悪感はない。
これを自分で実践しようとすると凄く難しい。発信者がどういう意図で話をしているかということよりも
受け手がどう受け止めるかによって変わってくるからだ。まさにコミュニケーションは受け手が決めるって事だ。

「本当に困っていたらやるだろう」「取り合えずやってみたら」ふと使ってしまう言い回しだが、
相手の立場・気持ちを一度受け入れた上で使っていたかと言われると疑問符がつく。

コンサルタントという立場で組織に関わる場合、組織の人にとって我々は外の人という見られ方をする。
自分では第三者という気持ちはないのだが、組織にいる方にとっては確かに第三者なのだ。
だからこそより真摯に向き合い、相手の気持ちを十分すぎるほど受け止めた上でないと効果的な話し合いは出来ない。
別に目新しいことではないのだが、このところ両方の立場にたつ機会が頻繁にあったので
改めて自分自身で気をつけたいと思う。

藤田 誠