ダイバーシティーマネジメント
2013.11.01ブログ
国籍も年齢も違う2者が共同事業を進めていた。2人の事業に対する情熱は共感するもので私も応援してきた。事業に対する情熱は共通していたが、片方の外人の共同経営者は、エネルギッシュで情熱的で事業を進める上でのエンジンだった。片方の日本人は穏やかな性格で顧客の細かい要望にレベルの高いサービスで応えていた。この2人の違いが事業を良い方向にひっぱってきた。
しかし些細な切っ掛けから衝突が生じて、とうとう共同事業までやめると言い出した。2人の言い分をそれぞれ聞いていると、日々を回すために互いに我慢していたようだ。しかし互いに自分だけが我慢していたと思い込んでいた。
私は、「事業を始めた以上、途中で放り投げるのは経営者のやることではない。顧客を放り投げるのなら応援は出来ない!」と自分の立場をはっきりさせて、2人の話を整理していった。整理していくと大きく2つのポイントに分けられた。一つは衝突後に取った外人のエキセントリックな言動と二つ目はそれに至るまでの原因だ。
間に入っている私には整理できたが、2人の共同経営者はこの二つが感情と一体になってループする。このループを断ち切るにはどうしたら良いのか。
「私のBeingは何か」か問われる。
全ては私が彼ら一人ひとりから信頼されなくては始まらない。それぞれの気持ちをどこまで聴き切ることが出来るか。そんなプロセスを取りながら、2人は相手の話を聴ける状態になっていった。
プロセスを踏みながら分かってきたのは事業をスタートしたころ彼らは良く話し合っていた。しかしいざスタートしてみると日々の業務の多忙さの中で目の前の課題の話をしても、今どのような気持ちでいるのか、自分が困っていることなど話せていなかった。また時によってはプライベートの事などは相手の負担になると思って飲み込んでいた。また事業の進め方についても役割を決めてしまったものの具体的なプログラムまで落とし込んでいなかったので連携関係も曖昧だった。それぞれが孤独で闘っているようだ。
2人に質問を投掛けながら、具体的なことを話していったら感情的になっていたのがだんだん落ち着きやがて「そう思っていたのか」という言葉が互いに出るようになった。そんな相手を思う気持ちが出てくると元々ビジョンに対する情熱を共有している二人が氷解するのは早かった。
この衝突と葛藤を通じてこの共同経営者達はダイバーシティーマネジメントの本質を学んでくれたものと思う。そして彼らのビジョンが具現化し顧客に必要とされる事業になっていって欲しい。
大島
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