湯船で思う地域のあり方
2013.03.31ブログ
数年前、知人に「美容と健康に良い」と聞いてから、定期的に銭湯に行くようにしています。
“スーパー銭湯”や“スパ”ではなく、いわゆる昔ながらの“町の銭湯”です。
銭湯で熱めのお湯と水風呂に繰り返し入ることで代謝も少し良くなってきて、
おまけにお肌はツルツル・・・と、「銭湯効果」を感じる今日このごろ。
近所だけでなく、出先でも入れるタイミングさえあれば、ふらりと立ち寄ったりもします。
そんな銭湯ライフをゆるりと楽しむなか、先日、印象に残った出来事がありました。
行きつけの銭湯で湯船に浸かっていたときのこと。
小学校にあがるかあがらないかくらいの女の子が、一人で浴室に入ってきました。
すると、その女の子は体を流してから、私が入っていた小さめの薬湯スペースに入ってきたのです。
目があうとニコッと女の子が微笑んだので、つい「一人で来たの?」と話しかけてしまいました。
「ううん、お父さんがあっち(男湯)にいる。あとで待ち合わせしてるんだ。」
「そうなんだ。一人でお風呂に入れて、えらいねー。」
そんな会話を交わし、私は再び水風呂と熱い風呂の繰り返し。。。
その後何となく気になって女の子を見ると、女の子がお風呂からあがり、
着替えて脱衣所を出ていくまでの間、私が確認する限り、私も含めた6人のおばさん&お婆さんから
「一人で来たの?」と話しかけられていました。
そして、人懐っこい女の子は、その度に少しおしゃべりをして、最後は「さようなら~」と言いながら
お父さんの待つ待合室へと出ていきました。
その様子を見ながら私は、「あぁ、東京にもまだこんな温かい光景が残っていたんだな」と嬉しくなったのです。
子どもが安心・安全に暮らせるように、様々な地域で「子どもの見守り」の取り組みが広がっています。
私は、そういったものが必要とされている根底には、「他者への関心の薄い人が増えてきた」という問題が
あると感じています。
そして、他者への関心の薄さは、子どもだけに限らず、同じ地域に暮らす若者やお年寄り、
学校や会社の中での人間関係に対しても、同じことが言えるでしょう。
日ごろ仕事で、人間関係が希薄なチームをどのように「一枚岩」にしていくか?を考えさせられるだけに、
この問題は私の中では大きなテーマの一つになっています。
でも、まだまだ探せば、銭湯でのひとコマのような「良い意味でのおせっかい」なおばさんやお婆さん
(私もその一人です)が存在している。
家風呂が各家庭に普及し、町の銭湯は数少なくなってきていますが、
地域コミュニティとして機能し、「銭湯ダイアログ(対話)」なんて出来たら、まだまだ存在価値を
発揮し続けられるのではないか・・・?(湯あたりには十分注意が必要ですが)
そんなことを思いながら、春の夜風に吹かれて家路についたのでした。
Sotoyama
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